こちらは、ランチ鮨としては、東京でトップクラスの満足度なのではないかと思います。
お昼でも手抜きは全く無く、上質なタネをリーズナブルに楽しめます。
予約してお伺いしたところ、溜池山王の駅から余りにも近くて驚きました。
それでいて、店内は静かな雰囲気で落ち着いており、昼から鮨と向き合えます。
ランチは4,000円、5,000円のお決まりと、7,000円のお任せ。
つまみが付くコースも2つあるようです。
初回なので5,000円のお決まりをオーダーしました。
内容は12貫＋巻物、玉子に加えて、茶わん蒸しと椀が付く。
食後の口直しにほおずきが出るところが大変お茶目。
こちらのシャリは塩加減と酢加減が程よく、繊細な味わいです。
かすかな甘みが漂いますが主張は少なく、まろやかながらに酢がキリッとしている。
総じて、タネを活かす上品なシャリだと感じました。
それでいてタネと競り合う力強さもある。
ご主人の握りの速度と精度はかなり高く、握り方でシャリに力強さを付与している印象。
立ち居振る舞いは洗練された居合の達人のようです。
唯一、シャリがやや柔らかく、タネによってはもたつきを覚えたのが残念です。
柔らかい、というより、米粒の水分含有量が多く、数粒が口に残りました。
訪問された方にお話を伺ったところ、この点に関してはアンラッキーだったようなので、再訪の上で確認したいと思います。
と言うか、是非とも再訪したいと思うストーリー性でした。
真鯛 前掲
鰤
脂の濃厚さと、繊維の柔らかさに優れております。
墨烏賊
肉厚ながらに包丁の入れ方が良く、歯切れよし。
金目鯛
いくら軍艦
秀逸。生いくらの旨味に控え目な煮キリが良い塩梅。
車海老
小振りですが、茹で上げで、甘みを引き出す良い加減。
鮭児
1万匹に1〜2匹しか獲れないという、未成熟の鮭。
「全身がトロのよう」と言われますが、過言ではありません。
とろりと蕩け、濃厚な旨味が弾け、鮭の香りが上品に漂います。
針魚
鮪中トロ
ランチで頂けるのが嬉しいクオリティです。
海胆軍艦
塩水海胆。海苔の香りと豊かな調和。
小鰭
やや強めの〆加減で小鰭の魅力を引き出しております。
玉子
穴子
干瓢巻き
濃い目で、やや柔らかい食感。個性ある干瓢。
まさか、5,000円のランチコースで鮭児が出てくるとは思いませんでしたが、全体的に見ても素晴らしい内容でした。
このクオリティで楽しめる正統派江戸前のランチ鮨はあるのでしょうか…
季節を変えて再訪したいと思います。
店名：寿し処 寿々(すしどころ すず)
シャリの特長：塩加減と酢加減がほど良い、上品な味わい。タネを活かす。
予算の目安：昼3,000円～6,000円、夜15,000円〜
最寄り駅：溜池山王駅から91m
TEL： 03-3586-1010
住所： 東京都港区赤坂2-9-4
営業時間：12:00〜～14:30、17:00〜22:00
定休日：日曜日、祝日
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