すしログ No. 128 特に印象的だった鮨店2015【東京都外編】

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さて、前回【東京編】をご紹介した「印象に残った鮨店2015」、楽しんで頂けたでしょうか?

本日は【東京都外編】を5軒ご紹介致します。

東京以外の都道府県で頂く鮨は、独自の解釈がされており、東京の鮨とは少し異なる魅力があります(参照:すしコラム No. 2 )。

江戸前仕事を駆使した地の魚を頂く悦びもありますが、最近ではシャリに気を遣うお店が増えているところが嬉しい。

鮨の未来を考えた時、大きなポテンシャルを有すのが東京都外の鮨だと思います。

 

【総合ベスト】

純粋な味わいに加えて、サービスやコストパフォーマンスも兼ね揃えた、総合ベストの鮨店は、高松の鮨舳(すしとも)さんとなります。

こちらはお店の香りやお茶の差し替えのタイミングも申し分なく、東京でも稀有なレヴェルのお店である事は間違いありません。

仕事には独自の世界観とストーリー性があり、シャリを二種類使いこなされるところが面白く、握りの技術も非常に高い。

高松の方が羨ましいくらいの鮨店です。

 

【創作性ベスト】

創作性で一番感銘を覚えたのは、前々から伺いたかった北九州の名店。

期待を高めて伺いましたが、裏切られませんでした。

こちらの鮨は、「創作寿司」の範疇を超えて、確固たる個性と味の一体感を創り出しているところが魅力。

美しく飾り包丁を入れカラフルな胡麻をまぶした烏賊、ベリーレア弱の火入れの車海老、

煮キリではなく出汁に漬けた鮪の中トロなど、心を奪う仕事が多い。

また、女性職人さんが担当されている炭火による火入れも抜群です。

 

【白身魚部門ベスト】

西で頂く鮨の魅力としては、何よりも白身魚だと思います。

こちらは余すところ無く白身魚を頂ける鮨店で、淡路島にありつつ神戸の食通諸氏が来るまで通うほど。

僕が訪問したのは7月末でしたが、冒頭から白身魚が6連発で繰り出され、驚き。

しかも、魚には熟成を掛けずほぼ「生」で出されるのに、鮨としての一体感があるところが素晴らしいです。

お店の雰囲気は街場寿司的ですが、出されるものは唯一無二の鮨。

ただ、少々マニアック過ぎるので、白身魚がそこまで好きではない方や、酢橘の多用を嫌う方には響かないかもしれません。

 

【北海道ベスト】

今や数多くの鮨店がひしめき合い、「蝦夷前」と言う言葉まで生まれ、東京でも三軒しか無いミシュランの三ツ星を獲得したお店も有す北海道。

その中でも、こちらは他店には無い魅力を持った、将来性の高いお店です。

シャリは赤酢を二種類使用され、酸味が強く、エッジの利いたシャリ。

タネは北海道産にこだわらず、江戸前のタネや西の白身魚を織り交ぜておられます。

ただ、勿論、北海道独自のタネも頂く事が出来るので、他県から訪問しても面白い。

こちらは打って変わって熟成を駆使されておりますが、ご主人のセンスが旨味と食感を程良いところでコントロールしております。

 

【関西ベスト】

京都には江戸前鮨のお店が非常に少ないですが、大阪はとても多いです。

僕はまだまだ回りきれておりませんが、現状ベストのお店がこちらとなります。

創業100年を超える老舗でありながら、当代のご主人は研究を重ねておられ、他には無い仕事を楽しませてくれます。

白甘鯛と木ノ芽、アイナメとおろしポン酢など、大阪ならではの組み合わせ。

牡蠣の漬け込みや鰻の蒲焼きも面白い。

ご主人は一見シャープな雰囲気ですが、丁寧に質問に答えてくれ、自然に使われる古い船場言葉が心地良いです。

 

ちなみに、2014年に伺って印象深かったお店は下記の5軒となります。

店舗情報だけピックアップして、筆を置かせて頂きたいと思います。

 

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