すしログ和菓子編 No. 44 老松@嵐山(京都府)

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京都には夏らしい和菓子が色々ありますが、こちらの【夏柑糖】もその一つ。

戦後に主流となった甘夏ではなく、日本原産種の夏蜜柑を契約農家に作ってもらっているそう。

4月から8月が販売期間ですが、その年の出来高によって変化。

僕は8月下旬に伺いましたが、敢え無く終了しておりました。

しかし、夏柑糖が終了すると代わりに【晩柑】が登場するので、今回はそちらを頂く事が出来ました。

そして、もう一つの名物である【本わらび餅】も忘れてはなりません。

「わらび粉」はわらびの根っこから作られるでんぷん質の粉ですが、10kgのわらび根から僅か70gほどしか取れないと言われます(0.7%!)。

よって、巷の「わらび餅」はサツマイモなどのデンプン質を使用したものとなり、こちらのように100%わらび粉を使用したものは貴重な品となります。

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晩柑

グレープフルーツを使用し、【夏柑糖】と同様に中味をくり抜き、果汁と寒天を合わせ、皮の器に注いで固めた水菓子。

グレープフルーツの軽い苦味が活きている。

そして、果実そのものを想起させる自然な味わいに加えて、粒を想起させるような口溶けが魅力。

一般的なゼリー程には硬くなく、絶妙な食感となっております。

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本わらび餅

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頂いてみると、極めてトロトロで驚く。

そして、わらび粉の独特な香りも感じる!

提供時、中心部は温かく、オーダー後の作りたてである事が分かる。

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そして、しばらくすると氷水によって食感が変化。

とろけるような食感にもっちり感が付加される。

なので、2つの食感を楽しむために、急がぬよう!

秀逸な食感のわらび餅だが、脇を固める連中も良い。

黒蜜はベタッとしておらずサラッとしており、苦味が良い。

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黄粉も大豆の香りがふわっと漂う。

どちらも自家製されており、黒蜜は通常糖度が80度程のところ、時間をかけて50度前後に仕上げているそう。

黄粉も国産の大豆をお店のわらび餅仕様に煎っているそう。

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橙糖珠(だいとうじゅ)

嵐山店限定の品との事で、持ち帰りで頂きました。

橙を結晶化させたような美しい見た目。

頂いてみると、橙の香りが広がり、甘みだけでなく、苦味と酸味もほのかに漂う。

味覚の抑制に優れた和菓子です。

そして、砂糖のガリッとした食感は、何だか特別な感じで嬉しくなります。

 

店名:老松 嵐山店(おいまつ あらしやまてん)

予算の目安:晩柑648円、本わらび餅1,296円、橙糖珠3個入り756円

最寄駅:京福電鉄嵐山駅から260m

TEL:075-881-9033

住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町20

営業時間:店舗9:00~17:00、茶寮9:30~16:30

定休日:無休

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