すしログ和菓子編 No. 45 亀屋清永@祇園(京都府)

こちらは老舗が多い京都の中でも、屈指の歴史を誇る和菓子屋さんです。

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超変態的な和菓子にもかかわらず結構昔から好きなので、ブログに書くのが遅すぎたくらい。

創業は1617年(元和3年)に遡り、歴史のみならず格式の高さも群を抜きます。

かつて徳川幕府は1857年(安西4年)に有職故実に則り、上菓子司を248軒に絞り、禁裏御用達の上菓子司を京都の28軒に限定しました。

亀屋清永さんはその内の1軒であり、しかも禁裏御所御膳所、諸藩諸侯、寺社仏閣に出入りを許された御菓子司です。

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お店は八坂神社のそばにあります。

こちらの名物は【清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)】。

そして、【餢飳(ぶと)】…

【餢飳】は奈良時代に遣唐使が仏教と共に輸入した唐菓子となり、「からくだもの」と呼ばれ、天台宗、真言宗などの密教のお供えものに用いられ、貴族しか口にする事が出来なかったそう。

ちなみに、奈良県の萬々堂通則さんにても【餢飳】を頂けますが、こちらはモダンにアレンジされています。

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しかし、亀屋清永さんの【餢飳】は超絶ラディカル。古典オブ古典です。

なにせ1,000年前の姿を今に留めているので…!

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そもそも【餢飳】とは…

「粒餡」を、米粉と小麦粉で作った生地を、丸く平にして「粒餡」を乗せ、二つに折って、兜(かぶと)形にして、上質な胡麻油で揚げてあります。伝来当時は、かんぞう、あまづら等の薬草で味付けをしていました。亀屋清永では甘みを控えたものに仕上げ、天平の昔のよすがをとどめております。

…との事(当方が付け焼刃で書くよりも、公式webから引用させて頂きました)。

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そして、もう一つの名物が【清浄歓喜団】。

こちらも奈良時代に伝わった唐菓子の一種「団喜」であり、1,000年以上昔の姿を留めた御菓子です。

奈良時代に比叡山の阿闍梨(あじゃり)から製法を習得したとの事。

「清め」の意味を持つ7種類のお香を練り込んだ「こし餡」を、米粉と小麦粉で作った生地で金袋型に包み、八葉の蓮華を表す八つの結びで閉じて、上質な胡麻油で揚げてあります(同引用)。

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さて、歴史的な薀蓄はさて置き、味はどうなのか?

端的に申し上げると、美味しいです(笑)

【清浄歓喜団】は真骨頂とも言うべき、食感と香り。

ガリッと弾けた時の快感は格別で、軽妙な食感に加えて、香りが鼻孔をくすぐります。

そして、油を効果的に用いた香ばしさ。

食感に加えて味わい深さを追求した油の使い方であり、揚げ方だと感じます。

そして、余韻も格別。

涅槃を想起する…と言ったら流石に言い過ぎであり不遜であるものの、高貴な香りが非日常へ誘い、

甘美なひとときを味わわせてくれる事は間違いないと思います。

本店まで行かずとも、新幹線改札内でも帰るところも素晴らしい。

是非とも変態的な友人にプレゼントしましょう(笑)

京都に詳しい人でも結構知らない事が多いので、受けますよ!

店名:亀屋清永(かめやきよなが)

予算の目安:清浄歓喜団、餢飳ともに1個550円

最寄駅:祇園四条駅から550m

TEL:075-561-2181

住所:京都府京都市東山区祇園石段下南側534

営業時間:8:30~17:30

定休日:水曜

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