すしログ No. 16 松波@浅草

こちらのご主人の松波順一郎氏は京橋・与志乃ご出身。

つまり、すきやばし次郎の小野二郎氏と同門と言う事になります。

しかも、松波氏は、今では殆ど使われていない「本手返し」の使い手。

鮨好きとしては、長らく行きたかった憧れのお店です。

 

お店の雰囲気は、浅草にあって豪華絢爛。

暖簾をくぐると玉砂利が敷き詰められており、足を進めると小気味良い音を立てる。

二階へ、との事なので螺旋階段を登ると、

檜のカウンターにスポットライトが当てられ、燦々と煌めいております。

しかも、カウンターの前には巨大な丸鏡。

「つけ場は舞台」だと考えておりますが、ここまで演出されているお店は珍しいです。

浅草では、デートに使える鮨店の筆頭かと思います。

(ただ、料理写真は撮りにくく、ピンボケしまくりますが)

 

こちらはお任せのみなので、松波氏に全てを委ねます。

まずは酒肴から始まり、寒鰤、ナマコ、鮃、〆鯖と続く。

f:id:edomae-sushi:20150306080901j:plain

f:id:edomae-sushi:20150306080900j:plain

f:id:edomae-sushi:20150306080905j:plain

f:id:edomae-sushi:20150306080902j:plain
刺身は大ぶりな切り付けですが、食感、旨味ともにバランスが良い。

包丁の妙を感じます。

 

と、そこへ蒸し鮑が届きます。

f:id:edomae-sushi:20150306080903j:plain

これは極薄に切られており、鮮烈な印象を与えてくれました。

食感が豊かで、薄さが旨味を引き立てている。

同時に蒸し汁がショットグラスで供されるのも嬉しい限りです。

滋味深い。

f:id:edomae-sushi:20150306080904j:plainそして、肝心の握りについては、舞のような「本手返し」の美しさに心を奪われます。

他店では見られない程の手数の多さなのに、速度は早く、綺麗に形を成します。

f:id:edomae-sushi:20150306080859j:plain

シャリの硬さとほどけ具合は理想に近い。

硬さにおいてはかなり好みの、気持ちよくほどけるシャリです。

ただ、甘みが極めて強く、酢と塩が穏やかな点、温度がやや低い点が気になりました。

甘みが仇となるタネもあり、味わい的には好みが分かれそうです。

とは言え、「本手返し」の妙を味わうべく、再訪したい気持ちは残りました。

 

総じて、明確な個性を持った鮨屋かと感じましたが、

握りが少ない点、お好みが出来ない点が残念に思います。 

f:id:edomae-sushi:20150306080909j:plain

鮪大トロ

桁外れに良い鮪では無いものの、シャリとの相性が良く、蕩けながら一体化。

f:id:edomae-sushi:20150306080906j:plain

小鰭

味付けはあっさりですが、結構強く〆ており、食感は硬め。 

f:id:edomae-sushi:20150306080907j:plain

赤貝

大ぶりな赤貝ですが、シャリとの一体感があり、噛みしめるのが気持ち良い。 

f:id:edomae-sushi:20150306080908j:plain

墨烏賊

スパッと切れた後に、ねっとりと濃厚な余韻が残る、独特の庖丁。

f:id:edomae-sushi:20150306080855j:plain

海胆

すし通 なみにタップリ使うところが老舗離れしております。ワイルド…。

シャリ玉が通常の握りと同じサイズである点も面白い。

f:id:edomae-sushi:20150306080858j:plain

穴子

穴子がシャリを包み込む、更なるワイルドネス。 

f:id:edomae-sushi:20150306080857j:plain

玉子

しっとりふわふわタイプで美味しい。

f:id:edomae-sushi:20150306080856j:plain

干瓢巻き

穴子で言えば爽煮のような白くてさっぱりした干瓢。

ただ、シャリの甘みが一番強いというのは…。

 

店名:松波(まつなみ)

シャリの特長:硬さは理想的だが、甘みが極めて強い点で好みが分かれる。

予算の目安:20,000円~30,000円

最寄り駅: 浅草駅から372m

TEL: 03-3841-4317

住所: 東京都台東区駒形1-9-5

営業時間:17:00~21:00 

定休日:土曜、日曜、祝日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA