すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 348 鮨 五徳@渋谷

2種類のシャリを巧みに併用する鮨店、五徳

皆様お久しぶりです、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

利き手の怪我から早3週間…左手のみで食事することにも割と慣れたので、ついに鮨店巡りを解放しました!

結論から言うと、左手のみでもラクラク食べられる鮨はやはり最高の料理ですね。

僕が鮨を好きになった理由は「一口で感動を与えてくれるため」ですが、簡便さも魅力だと身をもって実感しました。

バリアフリーの嗜好品、鮨

負傷してもフォークとナイフを操らないといけない西洋料理とは懐の深さが違うな…と感じています。

※念のため、西洋料理も好きですよw

 

目次

 

鮨 五徳さんの外観と雰囲気

さてさて、今回お伺いしたお店「鮨 五徳」さんは渋谷、それも「奥渋」にある鮨店です。

「奥渋」とは、ここ1 〜2年で注目を集めているエリアで、渋谷のイメージを覆すほどに閑静で、上品な雰囲気が漂っています。

五徳さんも少し入りづらい雰囲気を発するほどにスタイリッシュな外観で、3年位前(2017年)に移転されたそうです。

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親方・上野純平さんは世田谷の鮨店で13年間修行された後、2007年に独立を果たされました。

寡黙で実直な職人さんと言うイメージの方ですが、質問には気さくに答えて頂き、手の怪我を気にしてくださいました。

鮨 五徳さんの特徴、シャリについて

お店の特徴としては、以下の通りです。

  • 2種類のシャリの使い分け
  • 非常に古典的な仕事と熟成を始めとする現代的な仕事の併用

 

シャリは米酢と赤酢の2種類で、それぞれ3種類のお酢をブレンドされているそうです。

米酢と赤酢の2種類を併用する場合、どちらかが甘みのあるまろやかな味に仕上げられることが多いように感じますが、こちらは違います。

ともにお酢の酸味と塩気が利いており、砂糖は不使用。

温度と硬さ(やや硬め)は程良いです。

終始食べ疲れせず、白と赤を織り交ぜても違和感を感じさせないシャリだと思います。

赤はむしろ白より穏やかな味付けで、旨味と香りを活かす方向性が奏功しているのでしょう。

 

仕事については、〆や煮物など非常にクラシカル。

強い〆加減や煮ツメの濃厚さはかなり意外に感じました。

それと同時に、熟成を巧みに用いたり、車海老を絶妙な茹で上げで出すなど現在的な仕事を併用されています。

全体的にグイグイと押してくるような力強さはありませんが、確かな基礎をベースに穏やかに楽しませてくれる鮨店だと感じました。

一部の仕事に粗を感じましたが、渋谷で落ち着いて鮨を食べる向きには十分選択肢になり得る一軒です。

【おまかせコース】は13,000円とリーズナブルですが、価格に対して使用されている種は上質なので、その点についても安心できるかと思います。

 

なお、写真につきましては右手怪我の為、左手スマートフォンの撮影になります。

クオリティが低くて申し訳ありません!

 

鮨 五徳さんのおまかせコースの詳細

栗とキノコの茶碗蒸し
栗の甘みが非常に嬉しく、強い出汁が支えている茶碗蒸し。

より穏やかな火入れだとさらに美味しいだろう。

鮨五徳さん鮃

利尻産。1週間程度寝かされていて、 非常に強い旨味が引き出されている。

それと同時に香りと食感も残されているので、親方の熟成の腕を実感する。

鮨五徳さんボタンエビ

ボタンエビ

噴火湾。1日寝かせていて、ねっちりした身は濃密な甘みを舌に与える。

鮨五徳さんブリしゃぶ

ブリしゃぶ

余市産。これは柔らかな火入れで、誰しもが問答無用に美味しいと感じる一品だろう。

鮨五徳さん酒肴

秋刀魚の炙り、鮑の酒蒸し、松茸のコロッケ

秋らしい食材と夏の名残の鮑の共演。

何気に松茸のコロッケが魅力的で、マッタケの香りが上品にふんわりと漂う。

鮨五徳さん太刀魚

太刀魚の酒蒸し

ふわっとした食感は酒蒸しならではな味わい。

鮨五徳さん河豚の白子

河豚の白子のバター醤油焼き

非常に香ばしい。人気の一品で通年出されているそうだ。

 

この後、握りに移行します。

 

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ガリ

辛味、酸味、塩気全てが立っていて硬派な味わいのガリ。

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墨烏賊

産地は「鹿児島」とのことなので、出水か。

食感はバツッと弾けて、とろり。

大葉を噛ませてレモンを絞りピンク岩塩と合わせるトリッキーな仕事だが、塩梅はよく嫌味がない範疇。

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クロムツ

千葉県勝浦。寝かして身をしっとりに仕上げ、旨味は抜群!

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淡路島。旨味がたっぷりで、浅葱と生姜の薬味の塩梅も良い。

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いくら

釧路。これは漬けてから少し時間が経過しており、皮の舌触りが少々気になった。

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鮪赤身

強めの漬けなので身はむっちりした凝縮感があり、鮪自体は香りがある。

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鮪中トロ

漬けの赤身は米酢のシャリであったが、中トロから赤酢にスイッチ。

これはなかなか予期せぬ展開で面白い。

しかも、ポイントとしては車輪の温度が高いところ。

この点については親方が研究されていることが窺い知れる。

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鮪大トロ

脂の密度があり、瞬時に舌を覆う。

香りは弱いが、産地は戸井!

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小鰭

佐賀。前述の通り非常に強い〆加減で意表を突かれた。

強めに〆た上で、しっかりと寝かせていてクラシカルな小鰭の仕事。

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車海老

愛知の天然モノ。火入れが非常に良い茹で上げ。

強い甘みに加えて食感に妙がある。

むっちりした身を噛みしめると、しっとりと繊維がほどけ、にゅるりと艶かしく踊る。

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海胆

小川商店のキタムラサキウニ。

こちらは米酢のシャリで。

海胆については温度が低い点が残念。

冷蔵庫から出してしばらく室温で馴染ませると、更に良くなる。

 

海胆 ※手渡しなので写真なし

霧多布水産のエゾバフンウニ。

口どけが非常に良く、強い甘みも赤酢のシャリに合う。

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穴子

米酢のシャリで。産地は江戸前!今年は漁獲量が少ないと聞いている。

甘みが強めの炊き地で、身はしっとり。

煮ツメは濃厚で 好みの味。

ただ、個人的に望むらくは、江戸前穴子の香りを活かすべく炊き地の甘みを抑え、小骨をより丁寧に処理して頂きたい。

対馬の穴子であれば問題ないが、江戸前穴子ゴの場合ややミスマッチを感じた。

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玉子

均一にみっちり、しっとりした食感のカステラ玉子。

完成度が非常に高い。

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海老の旨味がしっかり出ていて、コクのある味噌と合わせ、椀種は浅蜊。

 

店名:鮨 五徳(すし ごとく)

シャリの特徴:終始食べ疲れない米酢と赤酢のシャリを2種類併用。

予算の目安:おまかせコース14,300円

最寄駅:渋谷駅から600m

TEL:03-5454-5595

住所: 東京都渋谷区神山町12-8

営業時間:18:00~23:00

定休日:日曜

※完全予約制です