すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 347 常盤鮨@横浜関内(神奈川県)

自身を持ってオススメする神奈川を代表する鮨店・常盤鮨

2018年に一目惚れならぬ一口惚れした、横浜・関内の常盤鮨さん。

当時の時点で神奈川県を代表する鮨店の一つだと確信しましたが、この度再訪したところ、更に腕を上げられていて感銘を覚えました。

常盤鮨さんのシャリについて 

3代目親方の林ノ内勇樹さんは名店・水谷で修業された経験をお持ちですが、既に自身の仕事を確立されていて、今後の伸び代は同世代(40歳前後)の職人さんの中でも非常に大きい方だと確信します。

それを感じたのは仕事=調理のみならず、シャリも一因です。

修行先の系譜を感じさせる硬派なシャリで、米酢のみ、酸味と塩気を利かせたシャリなのですが、試行錯誤されています。

酢の酸味がキリッと利いていて、塩気も割と強めながら、赤身にも白身にも合うシャリを模索されている印象…現時点で、ひとえに美味しいです。

お酢はミツカンの白菊主体で、他に酸味を立たせるためにブレンドもされています。

砂糖を用いつつ端正な味を維持し、粒は粘度が穏やかで、硬すぎずほろりとほどけます。

粘度を如何に抑えるかを模索されているので、更に美味しくなる事は容易に予想されます。

シャリの温度は問題ありません。

お米は以前のササニシキの古米からあきたこまちに変更されています。

味付けの変化は詳細を伺う前に分かりましたが、お米も変えるとは、結構な英断ですね。

赤酢が流行している現在なので、米酢のお店は僕にとって貴重です。

赤酢に慣れている人が米酢のシャリや関西のシャリをdisっている事がありますが、全然違うものですからね…

それくらい米酢のシャリの鮨店は少数派になっているのかと感じ、なおさら応援したくなります。

 

さて、今回は初めてお昼にお伺いしたので、握りをおまかせで頂きました。

貫数をお伝えしたらやってくれるとの事でしたので、10貫強をお願いして、計13貫頂きました。

タネのクオリティは夜と全く同じなので、コストパフォーマンスに対する評価も過去記事と同様です(下部に過去記事のリンクを張ります)。

鮨好き、握り原理主義者としては大変貴重なお店です。

 

常盤鮨さんの握りの詳細

常盤鮨ガリ
ガリ

薄切りで食感があり、甘みをつけつつ媚びない甘みのガリ。

常盤鮨鮃

肉厚な切り付けで、もっちりした身を噛みしめると香りがぶわっと広がり、旨味も舌をグイグイと刺激する。

インパクトがある白身の握り。

寝かせ日数は2日で、非常に良い。

常盤鮨クロムツ

クロムツ

塩で軽く脱水した後に昆布〆を行っている。

よって、特徴的な食感で、ねっちり、とろりながら引き締まっている感じだ。

昆布の香りは少し強めに付け、それがクロムツに良く合っている。

常盤鮨鰆

漬け。鰆の香りを感じさせる仕事で、これは嬉しい。

食感は漬けによりねっちり、まろやか。

常盤鮨春子

春子

橙酢〆と面白い仕事。

しっとりと非常に柔らかい身は個人的に理想的な春子の〆加減。

常盤鮨鮪赤身

鮪赤身

三厩…なので、釣りモノの鮪だ。

赤身の酸味が利いていて、旨味も楽しませてくれる。

夏から旬の秋に入っていく事を、味の変化で伝えてくれる味わいの赤身。

常盤鮨鮪トロ

鮪トロ

濃厚な脂だが、タイセイヨウクロマグロとは異なり、さらりとした脂の質。

ちなみに、親方は結乃花(ゆのか)の鮪を初期から使用されているが、最近取り扱う鮨店が増えているそうだ。

良い鮪を扱う仲卸さんなので、頑張って欲しい。

常盤鮨墨烏賊

墨烏賊

バツバツ感が強くなってきた新烏賊。

まだとろり感があるので、秋に入り墨烏賊らしい食感になるのが毎年楽しみだ。

特にシャリが美味しい鮨店となると。

常盤鮨小鰭

小鰭

皮はぷちっと弾け、身はしっとりほどける。

旨味を引き出していて良い〆。

香りも良い。

小鰭の産地は天草(有明海南部)だが、産地違いで佐賀(有明海北部)のナカズミを頂いた。

サイズの違いはあれども旨味が強く、脂が非常に乗っていて驚く。

ナカズミサイズの小鰭は酒肴として出されているらしい。

常盤鮨いくら軍艦

いくら軍艦

皮はぷちっと弾け、さらっと溶ける。

卵の味を活かすため、バラす温度は38℃程度と低温だ。

常盤鮨車海老

車海老

茹で上げで、良い温度。

甘みをたっぷりと楽しませてくれる。

車海老は元々の味に加えて仕事で甘みが大きく変わる。

産地は大分。

常盤鮨海胆軍艦

海胆軍艦

甘みが十分な海胆で夏の名残を満喫させる。

シャリが存在感を示して魅力的な味のバランスの軍艦。

常盤鮨穴子
穴子

ふわんふわん、とろとろな穴子。

常盤鮨玉子

玉子

先代から続く美味しい出汁巻き玉子。

常盤鮨鯵

江戸前内湾の鯵。

とろり、むっちりとグラマラスな食感。

しかし、それ以上に香りが独特で楽しい。

どことなく磯の香りがある。

薬味はおろした生姜を中に噛ませる。

常盤鮨椀

 

神奈川県には魅力的な鮨店が点在しますが、冒頭で記載した通り、有名店と比較しても県を代表する鮨店の一つだと思います。

それが関内にあると言うのが横浜らしくて良いですね。

これからも足を運びたい一軒です。

 

初回訪問時の記事

二回目訪問時の記事

 

店名:常盤鮨(ときわずし)

シャリの特徴:米酢のみで塩気も酸味も端正なシャリ。→今回は前回訪問時よりも穏やかであった→酢の香りと酸味を利かせつつ、程良い塩気と少量の砂糖でまとめたシャリ

予算の目安:お昼だいたい1貫800円のイメージ、夜は軽い酒肴、16貫、巻物、日本酒2合で18,000円強

最寄駅:関内駅から300m

TEL:045-681-2065

住所:神奈川県横浜市中区常盤町4-44

営業時間:お昼12:00~14:00、夜17:00~22:00

定休日:日曜、祝日