すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ和菓子編 No. 92 村上屋餅店(むらかみやもちてん)@仙台(宮城県)

づんだ餅発祥で老若男女に愛される名店、村上屋餅店

「餅は餅屋」と言うのは実に的を射ていて、餅が専門・得意と言う和菓子屋さんは決して裏切られません。

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こちらの村上屋餅店さんは1877年(明治10年)から続く老舗ですが、もともと先祖代々、伊達家御用達の御菓子司との事ですので、歴史・格式はもっと上です。

しかし、業務形態は町の和菓子屋さん。

誰もが気兼ねに伺える老舗は、時を超えて多くの人に愛される名店です。

 

こちらの名物は【づんだ餅】。

「ずんだ」とも表記される青豆(枝豆)を用いた餡は、現在は広く知られていますが、こちら村上さんこそが発祥のお店となります。

「づんだ」と表記する理由は、語源が豆を打って潰すという意味の「豆打(づだ)」であり、それが訛ったためとされています。

全国で一般的な餡は小豆を用いた黒い餡であり、関西だと上生菓子に用いられる手亡を用いた白餡であるので、青豆を用いた緑色の餡は馴染みが無いと斬新かもしれません。

しかも、「枝豆を用いた甘い餡」と聞くと、最初は抵抗感が勝つかもしれません。

しかし、これは「居酒屋の枝豆」のイメージが強いためかと思います。

全ての豆はしょっぱくも甘くも作れるものであり、海外の人からすると、和菓子が甘い豆で作られていると聞いて拒否反応を覚える人もいるそうなので、豆の味付けはひとえに郷土的・文化的理由に依ってくる…と感じます。

いざ食べてみると、「何これ?美味しい!」とイメージが変わり、魅力にハマるのがづんだ(ずんだ)スイーツだと思います。

村上屋餅店さんの餅へのこだわり

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村上さんはもち米に宮城県産の「みやこがねもち」を100%使用されています。

「みやこがねもち」は最高峰の特Aランクに位置づけられる品種ゆえに、「もち米の王様」と呼ばれています。

村上さんお餅の味わいとしては、風味と甘みが強い点が特徴です。

甘みと言っても加糖の甘みではなく、もち米本来の甘みです。

意外にも食感はしっかり目なので一口目は意表を突かれますが、噛み締めると風味がグイグイ立ち上がり、甘みが広がっていきます。

柔らかくない餅でこう来るかー!と感じました。

このお餅を3つの味わいで頂けるのが【三色餅】。

づんだ、胡麻、くるみで構成され、これが仙台で必食の逸品です。

 

村上屋餅店さんの名物【三色餅】の美味しさ

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鮮烈な薄緑色の「づんだ」のみならず、優しい色合いの「くるみ」、漆黒に光をたたえる「胡麻」と、地味な色合いなのに美しさを有します。

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「づんだ」は決して青臭くなく、爽やかな香り。

こちらは甘みが抑制されていて、お餅と枝豆の風味を十分に楽しませてくれます。

程良く挽かれた粒も良い塩梅。

美しい色を出すため「薄皮取り」を徹底しつつ、色を維持するための加糖はしないと言うこだわり。

大量生産するお店では、「薄皮取り」を行わないため色が黒ずみやすく、それ故に砂糖を大量に入れて保存性を高めている模様です。

また、粒は昔よりも細かめに引いているそうですが、少しザラッとしないと枝豆らしさを失うと言う事で、微妙な調整を行う事で「村上のづんだ」を実現しているそうです。

「くるみ」もまた自然な風味が魅力。

「胡麻」は最も濃厚で、風味も甘みもパンチがあります。

漬け物が良い口直しになり、意外な発見です(笑)

 

「柔らかい餅」や「化学的な甘みと香り」を好む方には響かないかと思いますが、「噛み締めて美味い餅」と「自然な甘みと香りの餡」の組み合わせは未来に残したい逸品だと感じます。

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店名:村上屋餅店(むらかみやもちてん)

予算の目安:三色餅670円ほか

最寄駅:五橋駅から650m、仙台駅から1,000m

TEL:022-222-6687

住所:宮城県仙台市青葉区北目町2-38

営業時間:9:00~18:00

定休日:月曜 ※祝日の場合は翌日