すしログ和菓子編 No. 90 仙太郎@京都市(京都府)

木々の緑が深まる頃、神社の境内に茅の輪が設置されて涼を誘う。

神域に佇む茅の輪の姿を見て、清々しく感じるのは自分だけだろうか?

夏越の祓(なごしのはらえ)は半年間のケガレを祓い、あと半年の無病息災を願う神道の行事だ。

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由来は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)と、神話まで遡る。

『拾遺和歌集』(1006年頃の成立)には「水無月の なごしの祓する人は ちとせの命 のぶというふなり」と読まれている。

この詩を詠みながら茅の輪をくぐり、人形(ひとがた、人の形を模した紙の形代)を川に流して厄を落とす。そして、もう一つ忘れてはならないのが、和菓子の【水無月(みなづき)】だ。

【水無月(みなづき)】は魔除けの意味が込められており、同時に清涼感を感じる事が出来る、京都発祥の和菓子だ。

ういろうの上に小豆を乗せた菓子で、三角形の形状は氷室の氷の結晶を表している。

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そして、小豆は「豆(まめ)」から「魔滅(まめつ)」となり、魔除けの意味がある。

氷の結晶をかたどっている理由の一つとして、平安時代に行われていた「氷室の節句」と言う暑気払いにちなむと言う説がある。

異説もあるが、この由来が僕は一番好きだ。

 

夏越の祓は旧暦の6月末に行われていたので、現在の新暦だと5月10日となる。

しかし、夏越の祓は新暦でも6月30日に行われており、全国各地に残っている。

旧暦の夏越の祓では梅雨明けして暑さが増す時期であったそうなので、新暦の夏越の祓も現在の気候からすると大きく外れてはいない。

 

【水無月(みなづき)】は京都発祥の和菓子であるが故に、東京の御菓子司では多く作られていないように感じる。

そのため、お世話になるお店は専ら仙太郎さんだ。

仙太郎さんは創業1886年(明治19年)の老舗和菓子店。

百貨店に店舗を展開されており、今や関西に10軒、中部(名古屋)に2軒、関東に7軒を展開している。

それ故に東京在住であっても【水無月(みなづき)】の存在を知る人は多い。

多店舗展開する和菓子屋さんは和菓子の魅力を広く伝えてくれる点が心強い。

 

仙太郎さんでは3種類の【水無月(みなづき)】を作られている。

  • 白みなづき
  • 黒(黒糖入り)みなづき
  • 抹茶みなづき

それぞれの販売期間が異なってなっている点は要注意…

  • 白:4月7日~8月下旬
  • 黒:4月7日~7月12日
  • 抹茶:5月10日~8月上旬

 

みなづき

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ういろうは食感と香りが野暮ッたいと一瞬で魅力を喪失する和菓子だが、仙太郎さんのものは寧ろ病みつきになる食感と香りだ。

ぷにゅぷにゅ、モチモチした食感が気持ち良い。

生地の香りは上品で、、小豆の香りがしっかり香る点が魅力。

抹茶のみなづきもまた、完成度が高い。

抹茶の自然な香りが清々しく、同時に茶の苦味も味わえる。

香料を用いた抹茶スイーツは軽薄に過ぎるので、真面目な御菓子作りが嬉しい。

 

和菓子で感じる季節。

魚の旬とは異なる妙味がある。

店名:仙太郎(せんたろう)

予算の目安:水無月1個 227円(税込)

最寄駅:京都河原町駅から170m

TEL:075-344-0700

住所:京都市下京区寺町通り仏光寺上る中之町576

営業時間:8:00~18:00

定休日:元日

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