すしログ No. 335 鮨 花おか@渋谷

こちら花おかさんについては、2月にお伺いした際に大きなポテンシャルを感じ、その後3月末に再訪の予約を入れました。

ところが、東京都知事の自粛要請に伴い、泣く泣く予約をキャンセルさせて頂く事に…。

自分はドタキャンは勿論、飲食店のキャンセルは極力すべきではないと考えているので、これは苦渋の選択でした。

その後、政府による緊急事態宣言まで発令されてしまい動けない状況が続きましたが、解除に伴い経済活動を再開してお店を応援するため、改めて予約を入れました。

この度、コロナの影響による自粛生活で実感しましたが、鮨はコロナ後であっても衰退する事はありません。

宅配やECが進歩して、その恩恵を得たり影響を被る業態もありますが、鮨(便宜的に所謂「回らない鮨」)については、回転寿司や宅配寿司とは完全に異なる別モノなので、お店に行かないと美味しさを実感できない料理です。

休業期間中に不安を感じられている職人さんもいらっしゃるかと思いますが、仕事が真っ当であれば問題ないと断言します。

ただ、鮨以外のジャンルについても言える事で、コロナ時に「持ち帰り仕様でない持ち帰り料理」や「原価を掛けていない持ち帰り料理」を出していたお店はアウトだと思いますが…

要は、コロナのような災禍があっても無くても、「鮨」と「お客」の両方に向き合い続けたお店が残ると感じています(自粛で休業されて耐えたお店も含みます)。

花おかさんのランチコースの概観

さて、再訪した花おかさんの話に移ります。

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前回は夜の【特選コース23品】12,000円でしたが、今回はランチ(水・土曜限定)の4,500円のコースを頂きました。

ランチコースは、握り8貫に、手巻き、玉子、椀が付き、さらに御料理も3品付く充実した内容です。

そして、ランチであっても、こちらの魅力である珍しい魚も楽しませてくれる点は嬉しい限り。

東京の江戸前鮨店では利用されにくい魚にフィーチャーされているのは大きな魅力であり、今後も精度を高めていって欲しいと願います。

ただ、個人的には、初訪問の方にはフルスペックの【特選コース23品】を食べて欲しいと感じます。

内容の変態性が高く、それによって握り個々の満足度も高まるので、相対的にランチコースよりもお得だと思いました。

僕は握りメインのお店の場合、お得なランチ鮨を活用するようにしていますが、花おかさんについては夜の方がお店の個性をダイレクトに感じられると結論づけます(また、山葵のクオリティも夜の方が良いです)。

再訪して、鮨の生命線であるシャリは安定しており、ヨコ井3種ブレンドの塩梅は上々だと感じました。

酸味(主に與兵衛由来)を強めに立てつつ、決してタネを邪魔しない範疇に収め、まろみもある仕上げ。

握り方については、親指を強く利かせて握るスタイルで、腰高な形状となる点が特徴的です。

ちなみに、個性的な魚を扱っておられるので、どのように構成されているのか伺いましたが、ある程度の型はあり、その日のタネのラインナップやお客さんの嗜好によって組み立てているそうです。

違和感は感じないストーリー性なので「型」が優れているのだと思います。
荒削りな部分はありますが、今後更に面白くなる職人さんであるのは間違いありません。

豊洲以外に全国15ヶ所から直接取引されているそうなので、今後扱われる魚種も楽しみです。

花おかさんのランチコースの詳細

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キジハタ

5日熟成。肉厚な切りつけにより食感を楽しませ、噛み締めるほどに旨味がこみ上げ、脂がシャリの酸味と乳化する。

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サクラマス

腹側の身なので強い脂とトロトロとろける食感が持ち味。

富山の鱒寿司のように〆てはいないので、握り鮨ならではな楽しみがある。
上品な香りも十分に楽しませて頂いた。

廉価な寿司店だと輸入物のサーモンが人気だが、脂が強すぎるし、香りが下品な点がネックだ。

サーモンが好きな人は意識的に鱒を味わってみて頂きたい。

腹側の身ならば脂も楽しめるし、サーモンよりも上品でスッキリした味わいである事に気づかれるだろう。

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漬け、おろし玉ねぎを添えて。

濃厚な旨味にバッチリ酸味もある鰹。

漬けだが、ねっちりよりはしっとりした食感に仕上げている。

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鯛の白子の天麩羅

ランチコースの合間に天麩羅とは嬉しい。

臭みはゼロで、香りが良い。

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カイワリ

相模湾周辺では「カクアジ」とも呼ばれ、珍重される魚(漁獲量は多くはない)。

今回のものも小田原直送との事であった。

脂が強く、鯵とは異なる特有の香りが持ち味。

スッキリした野趣とも言うべき香りが気持ち良い。

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ツムブリ

前回は腹身の漬けを握りで頂いたが、今回は煮もの。

皮目の旨味と香りが良い。

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トリガイ

サッと入れる火の加減が秀逸であり独特。

生っぽさは幾分下がるが、内側のトロトロ感とシャクシャク感が両立している点が魅力。

産地は愛知であった。

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鮪中トロ

漬け炙り。産地はアイルランド。

炙りによって脂が落ち、濃厚すぎず楽しませる。

個人的に、火入れはもう少し浅くても良いかと感じる。

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アオチビキ(青血引)

初めて頂く魚で嬉しい。

野趣ある香りと強い食感が魅力。

焼いた山芋を添えて香ばしい。

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ボタンエビ

1日寝かせているため、ボタンエビらしいシャクシャク感に加えてとろりとした食感が加わっている。

シャリとの調和を意識して寝かしているそう。

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エボダイ

非常に強い昆布〆で、意外性抜群!

引き締まった皮下はジャクジャクした食感で、昆布の香りと旨味も強い。

凝縮感の強いエボダイは前半だとクラシカルに過ぎて、好みを分けるかと思うが、この流れで終盤に配置されると印象が変わり効果的だと感じた。

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鉄火手巻き

パリパリで香り高い海苔が嬉しい。

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鰯 追加

時期的にはこれからだが、〆の光り物が欲しくて追加。

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鯨の潮吹き鹿の子 追加

「創作鮨」ギリギリのタネ(=獣肉なので)であるが、仕事を工夫されているだろうと思いオーダー。

薄切りの身に煮キリをサッと塗り、炙って、細切りしてから握る。

大変食感が面白く、コリコリと気持ち良く弾けた後、脂が広がる。

創作的だがシンプルにまとめ、上品な範疇に収めている。

ランチコースのお決まりにデフォルトで入っていると如何なものかと思うが、追加ならばアリ。

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玉子

プリンのようなスイーツ玉子。

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べったら漬け

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ギバサ入り。頂く前から魚介の香りが漂い、旨味もしっかり。

ジャキジャキした食感のギバサが気持ち良い。

山椒をかすかに使用していて、サッパリと終了。

追加の握りも大変リーズナブルなので、安心して頂けます。

渋谷の再開発エリアを通るため、迷いやすいので、時間に余裕を持って動くと気楽です(笑)

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鮨 花おかさんのお店の情報

WEB予約は一休、食べログより可能です。

鮨 花おか(一休のリンク)

鮨 花おか(食べログのリンク)

店名:鮨 花おか(すし はなおか)

シャリの特徴:ヨコ井の3種類ブレンドで、赤酢のカドを巧く取ったシャリ。

予算の目安:ランチ4,500円、【特選コース23品】12,000円、【軽めなコース16品】9,000円

最寄駅:渋谷駅西口から550m

TEL:03-3461-8881

住所:東京都渋谷区桜丘町7-2 ラコリーヌ渋谷1F

営業時間:お昼(水、土):12:00〜14:00、夜18:00〜23:30(LO22:20)

定休日:日曜、祝日

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