すしログ:福島県が誇る名店!いわきでご当地の魚を味わい尽くす鮨いとう!

※本記事はNo. 311に大幅加筆の上リライトしました

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

初めて訪問した際に「福島県随一の鮨店だ!」と確信した鮨いとうさん。

この度、季節を変えて再訪しました。

お目当てのタネはメヒカリと鮑です。

両方が重なるタイミングを伺い、計画的に訪問した次第です。

鮨いとう玉子

すしログ

結果的に、改めて深い感動に包まれました。

酒肴を減らして握りの数を増やされましたが、その試みは大成功。

間違いなく唯一無二の魅力があるので、全国から伺う価値があります!

福島県沖(常磐沖)のメヒカリや鮑は「常磐もの」としてブランド化されていて、高品質。

メヒカリについては同じ福島県産でも漁港(海域)によって味が異なるところが本当に面白いです。

このような気付きを与えてくれるお店は、福島県でも数少ないでしょう!

鮨いとうのシャリについて

鮨いとう小鰭

伊藤親方は2020年4月にシャリを大幅に変えられました。

お酢については、開店時にはヨコ井の輿兵衛に始まり、ミツカンの三ツ判山吹を使用されていました。

しかし、現在は飯尾醸造を使用されています。

 

飯尾醸造の富士酢と富士酢プレミアムをベースに、赤酢プレミアムをブレンド。

味付けは四国(香川?)の藻塩を使用し、砂糖は不使用。

お米は地元いわき市遠野町の古古米。

 

飯尾醸造のお酢を使用している割にお酢の酸味を立たせるブレンド比ですが、あらゆるタネと合う絶妙なバランスだと感じます。

酸味がキリッと利いていて塩気は酸味に対して穏やかで、バランスが非常に良いです。

 

ちなみに、ミツカン時代の感想は以下の通りです。

ミツカン山吹(赤酢)を用いつつ、あくまでも穏やか。

米酢もブレンドされている事に加えて、酒肴と同じく親方の哲学が反映されているのかと推察します。

つまり、シャリ単体で美味しさを表現するのではなく、タネと合わせることで酸味や塩気を感じさせるシャリなのかなと。

温度や硬さにブレが無いので、恐らくそうなのだろうと勝手に腑に落ちました。

 

お米については、硬く炊かずに米粒がほろりとほどける炊き加減。

滋賀県の「六鍋」の土鍋を使用されていて、加水率が絶妙です。

温度は低すぎず高すぎず適温ですが、タネによっては微調整されています。

 

また、かつてからの大きな変更点として、握り中心のコースにされたことがあります。

酒肴を軽め(5品)にされて、握りをフルボリューム(18貫前後)で出されるコース内容は、鮨好きには堪りません。

 

しかも、仕事の独創性が高く、魚の魅力の引き出し方が個性的です。

味付けなどの足し算ではなく、仕込みのレヴェルで個性を与えている点は、伊藤親方の凄さだと感じます。

鮨いとうの仕入れの魅力

また、仕入れも素晴らしいです。

伊藤親方は、福島の各漁港で自分の眼で仕入れられたり、仲買人に漁船指定で応札してもらったりしているそうです。

このあたりのお話を伺うと、魚を見極める眼が卓越しているだけでなく、仕入れの段階から鮨の仕事をイメージして仕入れられていることが分かります。

 

同時に、グルメな方なら名前を知っている名漁師である今治の藤本さんや、「プロフェッショナル仕事の流儀」で特集された長井の仲買人である長谷川さんの魚も入れておられます。

つまり、福島産の魚介類の多様性と美味しさだけでなく、全国レヴェルの魚関係者の方の仕事も味わえます。

いずれにしても伊藤親方の人望と信頼があって成り立つモデルです。

 

これらの仕入れによって、都心のお店では表現できない唯一無二の世界観を表現することに成功されています。

神経〆後の熟成の見極め、調理温度の管理、素材と調理法に合わせた塩の選択など、細部への配慮も行き届いていて、親方の「良い魚を自分の腕で引き立てよう」と言う気迫を感じます。

すしログ

伊藤親方の酒肴と握りを頂いていると、魚好きで良かったと再認識するとともに、さらなる魚の面白さを感じます。

とは言え、肉派の人であっても、間違い無く魚の魅力を再認識するはずです!

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鮨いとうの立地と雰囲気

鮨いとう暖簾

お店の外観は落ち着いており、温かみを感じる暖簾がはためいております。

店内も同様で、過剰な内装ではなく、素朴でありつつ上品です。

肩肘を張らずに、ほがらかに鮨を楽しめる空間だと思います。

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お店はカウンター席6席のみですが狭い事は無く、むしろゆとりを感じるレイアウトです。

コースはおまかせのみで、2回転制になりますが、こちらは理に適っていると感じます。

 

ちなみに、「おまかせのみ・回転制」については、鮨好きの中でも賛否両論ありますが、上手く構成されれば良いシステムだと思います。

ただ、お店としてコントロールはしやすく、食材のロスも減らせる反面、校正が凡庸だったり提供が遅かったりすると、一気に魅力を失います。

一言で言うと、興醒めですね。

なので、「おまかせのみ・回転制」を選択する職人さんは、先に内容・構成を考えて自分にいけると判断したら選択するのが良いと思います。

「おまかせのみ・回転制」は「楽であり、難しいもの」ではないでしょうか。

鮨いとうのおまかせの詳細

伊藤親方のおまかせはボリューム感があり、内容としても起伏に富んだエキサイティングなコースです。

味覚的な起伏が考えられているので、飽きが来ません。

そして、提供も速いです。

よって、「フルコース」として楽しませて頂けるおまかせだと感じます。

 

おまかせは酒肴5品、握り18貫前後、巻物、椀、玉子と非常にボリューミーな内容です。

19,800円のおまかせとしては極めて満足度が高いと思います。

2021年6月に頂いた内容

 

頂いたお酒

鮨いとう酒器

  • 天明中取り伍号 1,430円
  • 一声限定酒 1,450円

 

牡蠣

鮨いとう牡蠣

厚岸のブランド牡蠣「カキえもん」を、現地から直接仕入れ。

低温調理を行い、干し椎茸と鰹節の出汁に漬ける仕事。

前回も驚いたが、今回も絶妙な火入れに唸る。

自分で低温調理を行っているからこそ、絶妙である事を痛感する。

決して生っぽくなく火が入っているのに、生牡蠣の魅力を感じさせてくれる火入れなのだ。

甘みと香りが艶めかしい。

 

蝦蛄

鮨いとう蝦蛄

石巻産。生を醤油に漬ける仕事。

つまり、中国料理の酔蝦のような調理を蝦蛄に施している。

みしっ、とろっ、ほろっととろけるようなほどけ方は初めての体験。

そして、甘みを感じさせる。

茹でとは異なる甘みの感じ方が非常に面白い。

もちろん、お酒との相性は抜群だ。

 

真子鰈

鮨いとう真子鰈

相馬市原釜産の部位違い。

手前が腹側で、奥が背中側の身。

背中でも脂があり、旨い。

腹側は食感がむっちりしていて、滑らかに舌を這うような口当たり。

背側よりも脂が強い。

石垣島の海水から作った塩はミネラル分に富み、口どけも良くて美味しい。

 

メヒカリの焼きもの

鮨いとうメヒカリの焼きもの

標準和名はマルアオメエソだが、通称の方が圧倒的に知られているメヒカリ。

何と産地違いの食べ比べとのことでテンションが上がる。

手前がいわき産で、奥が相馬産(原釜産)とのこと。

いわき産は身が柔らかくホロホロしていて、さらさらした繊維質は淡雪のよう。

相馬産は香りがパワフルで、これも柔らかいが繊維質は太く、焼きにピッタリだ。

 

浅蜊の茶碗蒸し

鮨いとう浅蜊の茶碗蒸し

相馬産(松川浦)の大きな浅蜊を使用。

鮨いとう浅蜊の茶碗蒸しの浅蜊

頂いた時に強いコハク酸を感じて驚いたが、これは自家製の北寄貝の干し貝柱の出汁とのこと。

それ以外の味付けは行っておらず、卵の風味と甘みを楽しめる。

茶碗蒸しで余計な足し算を行っていないと、料理人のセンスと自信を感じるもの。

口当たりも非常に滑らかで、浅蜊を活かす茶碗蒸しだ。

 

ガリ

鮨いとうガリ

酸味がキリッと利いていて、辛味もある。

酸っぱ辛い味だが、甘みも効果的に付けられているのでフルーティな印象を覚える。

 

ノドグロの子

鮨いとうノドグロの子

これは想像以上!

ノドグロらしく脂がノリノリながら、身がぷちっと弾けるような食感が良い。

噛み締める過程でむっちり感も楽しめる。

そして、脂が強すぎない。

これは非常にユニークで、皮が優しく弾ける食感に魅了された。

 

カミナリイカ

鮨いとうカミナリイカ

藤本さんからの仕入れで、標準和名モンゴウイカ。

大変力強い食感で、みしりみしり、ゴリッと歯応えを楽しませつつ、最後はとろけて甘い。

終盤の噛み締める時の音が気持ち良い。

 

赤貝

鮨いとう赤貝

貝のまま一週間生かし、海水を吐かせる仕事。

これにより旨味が強まり、甘みも普通よりも強くなっている。

そして、魅力的なジャクジャクした食感はそのまま。

頂く前から強く香る香りは、紛れも無い閖上産。

直接引いてるそうだ。

 

赤貝の紐

鮨いとう赤貝の紐

紐も握りで頂けるのは本当に嬉しい。

赤貝の紐は【ひもきゅう】で使用されがちだが、本当に美味しいものなので、身に噛ませて使わないならば、一貫出して頂けると嬉しいものだ。

頂いてみると、期待以上の味わい。

香りが抜群で、旨味も強い!

食感も更に申し分無い。

昆布的な香りと旨味が余韻となり、質の高さを紛れも無く味で感じさせてくれる。

 

北寄貝

鮨いとう北寄貝

いわき産。珍しい。

軽く炙って温度を上げているが、炙りによる香ばしさは全く加えていない。

よって、北寄貝の甘みを純粋に伝える仕事だ。

沼ノ内港と四倉漁港のうち、今年は後者が弱かったので、前者を使用したそうだ。

 

真魚鰹(マナガツオ)

鮨いとうマナガツオ

藤本さん仕入れで、5月30日の水揚げ(熟成2週間弱)。

旨味が強いだけでなく、途中から香りがグイグイと高まるところや、強い余韻が実に魅力的。

真魚鰹が熟成に合う魚であり、生よりも熟成させた方が美味しく、熟成は焼きに匹敵する仕事であることを感じさせてくれる。

 

鮪赤身

鮨いとう鮪赤身

山口県萩産。弱めの酸味が徐々に高まり、途中で旨味が広がり、最後に酸味が引き締める。

そして、喉を越すあたりで香りを楽しませる赤身。

 

鮪中トロ

鮨いとう鮪中トロ

赤身よりも香りが強め。

脂が溶けるが、酸味が広がり、余韻も酸味が主体の夏鮪。

 

小鰭

鮨いとう小鰭

千葉産とのことだったので、船橋か。

強めの〆加減で、みしみしっと引き締まった身はじゅわっと香りと酸味を滲ませる。

硬派ながらおしとやかな味わいの小鰭。

 

アカザエビ

鮨いとうアカザエビ

フランス料理のラングスティーヌ、イタリア料理におけるスキャンピ。

長谷川さん仕入れ。

軽く炙っているため食感が独特で、むちっと引き締まった身はしゃくしゃくほどけ、とろりととろけるかのよう。

ファーストバイトの香りが車海老よりも野趣ある。

甘みが強く、上記のような食感もあるので、レア火入れにピッタリな海老。

厚みもあるので食べ応えが十分だ。

 

金目鯛

鮨いとう金目鯛

長谷川さん仕入れで、伊東のもの。

甘みが非常に強い!

一週間寝かせて脂を回しているそうだが、むっちり感もあり、香りも楽しめる。

皮引きの技で香りをコントロールしているそうで、これには驚いた。

 

この後、なんとメヒカリが産地違いで3貫連続!

 

メヒカリ

鮨いとうメヒカリ01

相馬産。

冷えているものを使用するため、シャリの温度を高めている。

これによって、脂と甘みが活性化し、しっとりとろりとほどけ、香りを残す。

脂を冷やして固定化させ(握る前に無駄にとろけさせず)、口の中でシャリの味と温度で完成させる握りだ。

咀嚼して鮨になる。

これぞ鮨。

見た瞬間に美味しそうなだけでなく、頂いて予想を超えて味を変化させる鮨こそ高度な鮨の証左だ。

このような握りを生み出せるかどうかが鮨職人の技量を決定付けるものであり、ミシュランの星や食べログのスコアなどは鮨の味に何ら影響を及ぼさない。

 

メヒカリ

鮨いとうメヒカリ02

いわき久之浜産。

甘みが強い!そして、相馬産よりもとろりととろけ、鮨としての一体感がより高い!

メヒカリの魅力をを再認識させる、唯一無二の仕事だ。

魚の魅力をセンスで新たに定義付ける崇高な仕事だと、メヒカリを2貫連続で頂き、心から感じた。

 

メヒカリ

鮨いとうメヒカリ03

いわき沼之内産。

トロットロで香り良く、脂が乗っている。

これは凄い。全て違う!

 

上記のメヒカリの握りは、全て脂の溶け方まで意識して仕事をされている点が凄い。

〆なし、脱水なしで、メヒカリというご当地の魚の魅力を引き出し、シャリと合わせることで他の調理法には無い魅力を生み出されている。

仕事のセンスだけでなく、目利きと生産者さんとの強い信頼関係があって成立させている点も、実に鮨職人らしくて粋だ。

 

ミズダコ

鮨いとうミズダコ

地物のミズダコとはレア。

そして、味わいで更にビックリ。

ミズダコとは思えない香りの良さで、繊維質もしっとり且つホロホロ。

そして、甘みが喉に残る。

これは非常に意外性がある。

 

蝦蛄

鮨いとう蝦蛄

オスと子持ちのメスの身を重ねて提供!

しっとりした食感、甘み、香りともに抜群。

ちなみに、伊藤親方は蝦蛄をさばかなくてもオスとメスを見抜けることができるとの事。

「さばかないと分からない」と仰る職人さんもいらっしゃるので、驚いた。

 

鮨いとう鮑

旬の走りの鮑であるが、今年は価格がキツいそうだ。

これは、最近伺った神保町の「はる駒」さんでも仰っていた。

中国資本に高額で流れ、国内で消費できない状況になっている模様。

そのような中、走りの香りを満喫させて頂き、仕入れて頂いたことに心より感謝する。

 

海胆の手巻き

鮨いとう海胆の手巻き

根室の業者の海胆で、北方四島産だが、伊藤さん向けに剥いて出荷されているそう。

 

ノドグロ

鮨いとうノドグロ

厚みが凄いが、伊藤さんはキロ以上のものを狙うそうだ。

そして、地物以外のノドグロは使わないポリシーで、船指定で応札してもらっているとの事。

脂だけでなく引き締まった繊維質も楽しめるノドグロであった。

 

干瓢巻き

鮨いとう干瓢巻き

柔らかく甘い干瓢で、山葵無し。

通常であれば僕は硬め、辛め、山葵有りの鉄砲を好むが、この流れだと実に合う。

鮨の仕事は単体で正解は無く、一連の流れの中で本当の正解が表れる事を実感する。

 

鮨いとう椀

ノドクロや金目鯛、アカザエビなどのアラ汁に相馬の生海苔を使用。

ゼラチン質たっぷりだが、生海苔と青ネギによってさっぱりにまとめられている。

甲殻類の香りが強くアカザエビ由来かと思いきや、意外にも金目鯛との事。

海老を餌にしている金目鯛は、アラ汁にした時に甲殻類の香りを漂わせるそうだ。

 

穴子

鮨いとう穴子

煮ツメがあたかも釉薬のようで、良い景色だ。

ホロッホロの穴子で、下味はほぼ無いので、穴子の香りを楽しませてくれる。

 

玉子

鮨いとう玉子

表面はしゅわっ、中心はトロットロ。

きめ細かいしゅわっと感のある玉子で、甘みは穏やか。

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2019年11月に頂いた内容

九絵のスープ

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和歌山県串本産で、20キロのものを1週間熟成。

味付けは塩のみで、当初は塩気が強めかと思ったが、バランスは良好。

身の旨味はしっかりしており、ゼラチン質が溶け込んだスープは塩気と調和する。

串本の九絵は脂の甘さが特徴らしい(現地漁師談)。

 

いくら

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当日分のみ仕込み、その日のうちに使い切るそう。

皮はさらっと溶けるかのように弾ける。

醤油は上品な使用量。

 

牡蠣

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厚岸産。65~70℃で5分茹でた後、余熱で火を入れて、出汁に漬けた牡蠣。

調理が素晴らしく、生っぽくもみっちり感が軽くあり、しっとりした身は香りが良い。

ノロウイルスの感染リスクを排除しつつ、ほぼ生に近い楽しみを与えてくれる。

 

ワタリガニ

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地物の子持ち。珍しい時期だが、ここのところ獲れるようになっているそう。

旨味が強く、香りも強い!

卵はねっちりしており、濃厚な印象を与える。

 

ホウボウ、鯖

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付け合わせの塩はクリスマス島の塩。

ホウボウはいわき豊間産で、鯖は長崎県五島産。

ホウボウは3日寝かせており、むっちりでありながら、滑らかにほどける繊維質。

旨味も強い。

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鯖は1週間熟成させた上、〆ずに生で提供。

旨味がしっかりで臭みは無く、香りとして楽しませてくれる。

同時に、生なので皮目のブチリ感も楽しい。

 

北寄貝

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いわき四倉産。非常肉厚な北寄貝を醤油で炙っている。

甘みが強く、香りも抜群。

 

鱈白子

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60℃から40℃まで余熱で20分かけて火入れした白子。

非常にクリーミーで、薄皮が弾けて、とろける。

生よりも甘みを強く感じる気がする。

鰹出汁が程良く浸透しており、出汁と塩気の塩梅が良い。

 

カマス

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いわき沖。脂が乗っており美味。

 

紐きゅう

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紐でも香りの良い赤貝で、閖上だと感じる。

巻物で口直しとは面白い。

 

ガリ

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食感は強く、酢が浸透している。

辛みと甘みのバランスが良いガリ。

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容器の取っ手が可愛らしい。

 

この後、握りに移行します。

 

墨烏賊

墨烏賊

肉厚な身はブチブチと千切れ、肉厚だが歯切れ良く、とろとろになってゆく。

お米の美味しさを感じさせる。

塩はフランス産の岩塩。

 

真魚鰹

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愛媛の人気漁師さんの…と言う事だったので、藤本純一さんの獲った魚と思われる。

バイアス抜きで頂いてみて美味しいので、藤本さんで間違い無いだろう。

6日寝かせているそうだが、旨味が圧巻で、真魚鰹の持つ脂を超える旨味の印象が面白い。

 

赤貝

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香りと旨味の強さで閖上だと確信。

実際にそうであったが、更に凄かった。

閖上の貝屋さんが伊藤親方の為に送っている赤貝を、何と寝かせているそう。

5日かけて塩水を吐かせながら寝かせた赤貝は、身の水分が少なくなり一回り小さくなっているが、それ故に旨味が凝縮している。

 

車海老

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表面のみ火入れして昆布〆にすると言うオリジナルの仕事。

食感は生っぽいぷりぷり感の中に、火入れした事によるむっちり感がほんのりとある。

昆布の香りも合っている。

車海老の甘みを引き出しつつ生っぽさも楽しませる仕事。

震災直後、福島の魚を使えなくなった際に編み出されたそう。

 

セコガニ(香箱ガニ=ズワイガニのメス)

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1年で約2ヶ月間しか楽しめない味を、握りで頂く贅沢!

身、蟹味噌、内子、外子をミックスしており、シャリとの一体感もある。

 

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相馬産。藁の強めの燻香が抜群。

脂はもっと乗るとの事であり、仕事でカバーされている。

 

小鰭

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オボロと言うか田麩?を噛ませ、甘みを加える。

〆加減はジューシィでありながら旨味が引き出されており、臭みは皆無。

仕事と田麩?の調和が見られる小鰭。

 

鮪赤身

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産地は伺っていないが、仕入れが石司である事は知っていたので、産地を伺わずとも美味しいだろうと判断。

むっちりした身は旨味に加えて酸味もある。

 

鮪中トロ

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脂部分の口溶けが良く、赤身の酸味も楽しめる。

 

鮪大トロ

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ここでシャリを変えられ、温度を合わせる。

濃厚な旨味に加えて香りが楽しめる大トロ。

 

海胆手巻き

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根室(北方四島)の塩水海胆。

甘みを引き出すために寝かせているそうで、加工から5日。

それにより、香りも立つ。

これも根室の海胆屋さんが専用にパック詰めされているそう。

そして、分厚く歯切れが良く旨い海苔は有明産で、築地・丸山のピンである。

 

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蜆の味噌汁

 

穴子

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松島産の穴子で、超肉厚。

肉厚な煮穴子に煮ツメを掛けてから焼いている。

繊維質を楽しめる穴子で、食べ応えが抜群。

 

干瓢

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甘みがあり、柔らかなものをみじん切りにして手巻きで。

これは玉子への接続を考えた干瓢。

 

玉子

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ふんわり系の玉子だと素晴らしい完成度。

とろっ、しゅわっ、ふわんと、終始軽やかに。

必ずや再訪しようと感じました!

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鮨 いとうさんのお店の情報と予約方法

予約についてはお電話のみとなります。

 

鮨 いとう(食べログのリンク)

店名:鮨 いとう

シャリの特徴:酸味がキリッと利いていて塩気は酸味に対して穏やかで、バランスが非常に良好

予算の目安:おまかせ19,800円~

最寄駅:いわき駅から550m

TEL:0246-35-7066

住所:福島県いわき市平字南町73

営業時間:1部18:00スタート、2部20:30(目安)スタート ※2部は1部が終わった後になるので、時間は目安です

定休日:日曜(月曜が祝日の場合は日曜営業し、月曜が休みの場合有り)

 

【関連する記事】

伊藤親方が使用されている飯尾醸造のお酢については、下記の記事をご参照ください。

 

久々に地方らしい秀逸な鮨を頂けて至福の、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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