すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 309 鮨まえざわ@松山(愛媛県)

鮨まえざわ

こちらは2018年10月にオープンした江戸前鮨のお店です。

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松山は鮨の進歩が目覚ましく、ミシュラン獲得店も増えております。

その中で言うとこちらのお店は「新参者」となるかもしれませんが、親方は東京で20年のキャリアを持つ生粋の鮨職人。

さらにご実家のご尊父が鮨職人だったそうなので、親方・前澤英幸さんのメンタリティはザ・職人です(笑)

 

上記に「東京で20年」と書きましたが、修行されたお店はなだ万の鮨部。

なだ万は国内に25店舗、海外に7店舗を構える大企業ですが、鮨は専門の鮨職人が握っておられるそう。

オールマイティな板前さんなのかと思っていたので、意外に感じました。

訪問時点では食べログへの投稿はゼロ件で、当然スコアも付いておりませんでしたが、鮨の形と包丁が良いので訪問を決めました。

鮨まえざわさんの握りの概観

親方は瀬戸内の魚に加えて、豊洲から当日の航空便で仕入れているそう。

よって、江戸前鮨王道のタネに加えて地のタネも頂けるので、愛媛の人も観光客も楽しめる内容となっております。

地方で「完全に江戸前」だと個人的には観光客として魅力を感じにくいと思いますので、これは嬉しく思います。

しかし、同時に、江戸前王道のタネについても仕事が個性的なので、織り交ぜて頂く事で魅力を最大限体感できるお店だと感じました。

古典的な江戸前仕事をモダンにアレンジされると同時に、熟成仕事も駆使されているので、研究熱心な方なのではないかと思います。

 

シャリは赤酢のみ使用されており、ヨコ井の與兵衛と江戸丹念酢をブレンド。

砂糖を用いて甘みを付けておりますが、決して嫌みが無く、酸味を支えるような甘みの塩梅です。

硬さは硬すぎず、それでいてしっかりとほどけます。

愛媛らしい「甘み」を用いて地元の人に馴染みやすくされると同時に、江戸前の赤酢の魅力を伝えてくれるシャリだと感じました。

 

コースは7,000円からご用意されておりますが、お好みも可能です。

また、コースについても握りは自分でタネを選べると言う、少し変わったシステムを取られております。

おまかせ一本にされない理由は、「握りは自由に食べてもらいたい」と言う理念がある為だそうで、握り至上主義者の自分としてはいたく感銘を覚えました。

なので、メニューに踊るタネを見ながら、気の赴くままにお好みで頂きました。

 

鮨まえざわさんの握りの詳細

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先付

南瓜すり流し、ほうれん草、峯岡豆腐、鰤大根、海胆プリン。

お好みでも付いてくる模様(¥2,000)。

頂いた後になだ万出身とお伺いして、成程と感じる味わい。

鮨店の酒肴と言うよりも日本料理店の料理を思わせる。

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ガリ

甘みがあり、フルーティな印象。

新生姜とひね生姜の2つが用意され、後者は辛みが強め。

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真鯛

地物。頂けば寝かせている事が分かるが、1日ほど。

普通は1週間ほど寝かせるそう。

なんと、前日に鯛ばかりお代わりする少し変わった方がいたそうで(笑)

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アカハタ

地物。ぷりぷりで旨味しっかり。

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カワハギ

地物。3日寝かせ、むっちり感を保持しつつ、しっとりした繊維質。

肝には大葉と生姜を混ぜている。

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小鰭

何と地物で愛媛産の小鰭!

脂こそ上品だが旨い。

〆加減が良く、食感は柔らかながら、決してなまくらではない。

親方のキャリアの成果を感じる小鰭。

松山の鮨店の中では、個人的に一番ヒット。

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三陸産。漬け。

薄切りなので上品に楽しませる仕事。

8日寝かせているそうで、鯖の香りは穏やか。

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北海道産。光物であるが、14日熟成。

熟成期間の長さは頂くと納得する。

脂が凄い鰯なので、熟成で独特な魅力を与えている。

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潮汁

具はネギとわかめのみ。

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車海老

来島海峡の天然モノ。

肉厚で非常に甘い車海老。

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鮪赤身

旨味が強く、香りは上品な赤身。

産地をお伺いしたところ、金沢産との事で、冬よりも前に冷凍して確保されているそう。

その心は、上品な香りの鮪を求めた結果。

鮪には正解が無く、親方の思想が反映されている事が大切だと感じる。

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鮪中トロ

脂が強く、香りがじわじわと立ち上がる中トロ。

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煮蛤

頂いた中で、江戸前王道のタネだと白眉。

身質は極めて柔らかく、しっとり。

火を入れて全く生っぽくないのに柔らかく仕上げる良き仕事。

漬け込み地も上品な味付けで、蛤の香りとホロ苦味を十分に楽しめる。

煮ツメは穴子のツメならば塗らないと言う選択。

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穴子

対馬産。肉厚なものをとろっとろに仕上げている。

かなり大きい切り付けだが、口の中で溶ける。

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干瓢巻き

食感が強く、甘みを乗せた干瓢。

シャリの美味しさを感じられる巻物。

山葵がバッチリ利く。

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カステラ玉子

密度はかなり高く、みっちりしているものの、しっとり。

 

店名:鮨 まえざわ(すし まえざわ)

シャリの特徴:ヨコ井の2種類の酢を用い、上品に甘みを付けてまろやかに仕上げたシャリ。

予算の目安:コース7,000、10,000、15,000円の他に、お好みは先付2,000円+α

最寄駅:勝山町駅のほぼ目の前

TEL:089-993-7420

住所:愛媛県松山市三番町1-15-1 マドンナTOWNRITZビル103

営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)

定休日:水曜