すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 304 すし晴@赤坂

すし晴

こちらは2018年6月にオープンした赤坂の鮨店です。

親方・佐藤治彦さんは18歳より浅草の老舗や西麻布などで10年修行された44歳。

お店は結構マニアックな場所にありますが、良い噂を聞いて訪問しました。

外観は日本料理店のようで、暖簾をくぐると実は半地下で意外でした。

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店内には檜の一枚板のカウンターと、重厚な肘掛けチェアが9席。

一見するとタイトなようですが、チェアが大きいので殊の外リラックス出来ます。

 

こちらは握りと酒肴を織り交ぜて展開されますが、「匠」系列ほど交互ではなく、握りのサイズも大きめです。

頂いて感じた特徴としては、この大きなサイズのシャリが個人的に琴線に触れました。

もちろん個々の仕事も間違いないのですが、新潟産コシヒカリを南部鉄器の羽釜で炊き、4種の酢をブレンドしたシャリは味わいのバランスが良いです。

酢はミツカンの三ツ判山吹と白菊、横井の琥珀と金将をブレンド。

 

酸味は比較的強く利いておりますが、行き過ぎておらず、塩気は穏やか。

意図的に硬く炊いてはいないが、ハラリとほどける米粒。

温度管理はバッチリ。

旨味の強いタネとの相性が特に良いですが、比較的淡白な墨烏賊とも合っておりました。

 

そして、もう一つの特徴としては酒肴。

和食的なものや創作的なものも含まれますが、全体の流れの中では違和感がありません。

【子持ち昆布のフライ】は面白く、ボリュームたっぷりの毛蟹に添えられた蟹酢の調味なども印象的でした。

 

なお、山葵は農林水産大臣賞を受賞した御殿場の田代恵一さんのものを使用されているそうです。

 

こちらは15,000円のおまかせ一本となり、現在の東京の水準からするとリーズナブルかと思います。

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この度頂いたお酒

醸し人九平次・純米大吟醸赤磐雄町、ゆきの美人・純米吟醸愛山、日高見・超辛口純米

 

すし晴さんの酒肴と握り

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蜆のスープ

蜆出汁のみで、塩気は極極弱い。これが上品で良い。

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カワハギ

身はしっとりで、肝はトロトロ、もちろん旨いヤツ。

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ガリ、ゴーヤの浅漬け

ガリは甘みの強いクラシカル仕様で、意外。

甘みを抑制して酢を立たせ、赤酢の旨味を付加したモダンなガリでも良いかも?

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賀茂茄子の揚げ浸し

出汁と塩気が強めで、初手としては胃袋を刺激してくれて良い。

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蛸、クロムツ海胆巻

蛸は佐島産で、クロムツは銚子産。

蛸は酒のみで炊いており、上品な味付けで、サクッと切れる。

クロムツは脂が強く、1日寝かせたものとの事。

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石巻産。塩で締めて軽く脱水して漬けている。

食感はむっちり且つねっちりで、噛みしめると旨味が広がる。

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鰤しゃぶ

脂に加えて酸味が良い。

産地は余市(…と言う事は天上鰤か)で5日寝かせているそう。

火入れは浅めでサラッと湯霜にかけたかのよう。

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毛蟹

蟹味噌も混ぜて、一人一人にたっぷりと。

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毛蟹の旨味、甘み、風味は申し分なし。

蟹酢も甘みを抑えスッキリと仕上げており、美味。

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愛知産。岸和田や釧路〜根室のものに比べると穏やかな脂なので、脂が乗りつつ爽やかな印象を与える鰯。

しっかりと〆ているが、塩も酢も浸透しすぎていない。

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ボタンエビ

増毛産。塩を振って一晩寝かせたもの。

非常に甘く、シャリとの相性が良い。

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スミイカ

毎年この時期に感じるが、バッツリした食感は良いなあ…

食感で秋を感じさせるタネ。

大葉にレモンを使用しているが、流れの中で然程嫌みは無い。

何故この場所に置かれているかは…分かりますよね(笑)

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生いくら

青柚子皮を散らして。時期ものでたっぷり。

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酒肴3点セット

芝海老の鰹酒盗漬け、鮟肝と奈良漬け、クリームチーズの粕漬け。

発酵調味料を用いた酒肴が面白い。

とりわけ芝海老の鰹酒盗漬けが最も良い。

鮟肝×奈良漬けは定番化しているが、叩いているのが魅力。

クリームチーズの粕漬けは豆腐や銘柄卵の味噌漬けでも良いかも。

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子持ち昆布、白子のフライ

子持ち昆布は鰹出汁を強く染み込ませており、これは斬新。

初物の鱈の白子は言わずもがなで、とろっとろ。

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車海老

茹で上げ。臭みは無く、甘みをしっかりと引き出している。

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北寄貝

炙りはバーナーでなく、安心。

北寄貝の強い甘みに炙りの苦味が加わり、シャリの酸味が支え、良いバランス。

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北寄貝の紐の串焼き

美味しい貝は紐も美味しい。甘い。

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鮪トロ

部位は背鰭の下のトロ。

かなり濃厚な脂に酸味があり、香りもある。

熟成期間は1週間。

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海胆軍艦

根室カネヨ鴎洋水産の利尻、紫。

香りが強い海胆で、パリッと香ばしい海苔が良き相性。

 

ノドグロ(アカムツ)

対馬産の焼き立てのノドグロをシャリに混ぜるスタイル。

熱い内に混ぜねば!と脊髄反射的に動いたので、写真は失念(笑)

アカムツの濃厚な脂にシャリの酸味が合わさり、乳化する。

今回の対馬のアカムツは特に脂が濃厚であった。

穴子、鯖と、あの海域の魚は脂が乗る。

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アカムツとボタンエビの頭の出汁。

アカムツ由来の力強い旨味にボタンエビの風味がしっかりと活きている。

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穴子

対馬産。身がしっとりしつつ脂が乗っており、同時に繊維質が活き活きと良い食感。

鮨店では通常仕入れない、かなり大きな穴子のみ仕入れて火入れに注意を払っているそう。

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干瓢

巻物でないとは珍しい。

干瓢巻を出さない若手のお店が増えているが、巻物との中庸か。

確かに、今の若手のお店に慣れた食べ手も軽く頂く事が出来、しかも江戸前伝統的な干瓢の魅力を伝えられる事も出来る。

干瓢は食感を残し、甘みがあり、それを山葵でキリッと引き締める。

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葡萄

 

期待以上の内容でしたので、また時期を見てお伺いしたいと思います!

次回は小鰭と巡り会いたいところ。

  

店名:すし晴(すしはる)

シャリの特徴:赤酢を中心に4種類の酢をブレンドしてオールマイティを目指したシャリ

予算の目安:おまかせ15,000円

最寄駅:赤坂駅から400m

TEL:03-5545-5935

住所:東京都港区赤坂4-11-6 プティ赤坂1A

営業時間:17:30~23:30

定休日:不定休