すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ日本料理編 No. 180 心根@高槻市(大阪府)

心根

今まで秋、冬、冬と訪問した心根さん。

夏に再訪の機会を作り、訪問を心待ちにしておりました。

一般的に食材が弱くなるお盆の訪問(→仕入の都合で)でしたが、満足度はバッチリ。

やっぱり他では頂けない御料理を作られているなぁと感じ入りました。

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ご主人の片山城(きずく)さんは、二十四節気ごとに季節感を表現されており、見た目に美しく、舌に嬉しい御料理を作られております。

一つ一つの御料理の構成要素(情報量)は多く、仕込みの手数の多さが偲ばれます。

立地は思うほどには遠くないので、時間があれば頻繁に立ち寄りたい一軒です。

 

今回改めて感じた点は、

1. 野菜の使い方が巧みである

2. 季節に合わせた塩分濃度の調整が良い

3. 出来る限り地物食材を用いており魅力向上中

全体として冬よりもメリハリの付いた味わいが夏らしいと感じましたが、野菜の味わいが強いので、それを引き立てる腕前を体感しました。

季節によって明らかな違いを体感すると、また伺いたいと心から感じるものです。

個々の食材、調味料が個性的なので、安心してサプライズを求めて訪問出来ます(笑)

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この度頂いた飲み物

自家製赤紫蘇ソーダ。

他に青梅と山桃もあり、夏限定との事。

 

頂いた御料理
・あつもの:鱧と松茸
・八寸
・夏野菜のお浸し
・真魚鰹の焼きもの、飯蒸し、葉唐辛子
・鰹の塩タタキ
・椀仕立て:鮎、冬瓜
・強肴:毛蟹、鮑、坊主ごろしなどの酢のもの
・平井牛ランプの燻製の炭火焼き
・お食事:炊き立てご飯、削りたての鰹節、美山の平飼い卵、自家製塩鮭、香の物
・水菓子(自家製の生菓子)
・お薄

 

心根さんの夏(大暑〜立秋)の御料理

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あつもの

鱧と松茸の出会いもの。

松茸は走りであり、時期的に外国産だろうけれど、香りを楽しませてくれる。

何よりも素晴らしいのが鱧出汁の吸い地。

大変濃厚で、走りの松茸に精彩を加えている。

スダチや白髪ネギなども抑制の利いた使用量。

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八寸

うちわ形のお皿に盛り付け、山で摘まれた葛の葉を添えて。

鬼灯の中に高槻名産の寒天を用いた野菜のゼリー

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モロヘイヤのお浸し、乙訓(おとくに)の小茄子の煮浸し、オクラの味噌漬け、黒胡麻花オクラ巻き、蛸の柔らか煮、室戸の海女さんの獲ったトコブシ、トウモロコシの味噌漬け、山桃、早生の里芋の唐揚げ、鱧寿司。

野菜が美味しい八寸!

蛸の柔らか煮はクラシカルな八寸料理であるが、食感をぷりぷりに仕上げている点が凡庸でなく嬉しい。

また、トコブシも定番と言える食材だが、モノの良さを活かしている。

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夏野菜のお浸し

千両茄子、桃太郎トマト、伏見唐辛子、バターナッツ、ちりめんじゃこ。

じゃこは赤蕪で色付けされており、一夏の恋で赤く染まった…とのコメント(笑)

料理の説明に文学的な引用もされる片山さんだが、ギャグも交えるとは…流石、大阪人や!

出汁も温度もキリッとしており、各野菜の食感の違いが楽しい。

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真魚鰹の焼きもの、飯蒸し、葉唐辛子

真魚鰹はスーパー漁師、愛媛・藤本さんのもの。

飯蒸しは昆布出汁を利かせており、旨味の強い真魚鰹と相性良し。

組み合わせの妙。

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鰹の塩タタキ

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の句(江戸時代中期、山口素堂)に合わせた一皿。

器は400年前の明のもの。

調味料は和芥子、あしらいはスベリヒユ。

藁で炙っており非常に香ばしく、鰹の酸味がキリリ。

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椀仕立て

鮎は風干しして苦うるかを塗って焼いている。

冬瓜、おかひじき、黒豆、針ミョウガ、青柚子皮。

川をイメージしたあしらいが晩夏に一服の清涼感。

味わい的にも、これは素敵な組み合わせ。

昆布を利かせた吸い地は、鮎の香りを殺さず、楽しませてくれる。

うるかはそこまで強くない。

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強肴

毛蟹、鮑、坊主ごろし(鳥取のもずく)、いちじく、糸瓜、葛の花の酢のもの。

「酢のもの」と言ってもオリジナリティに富む逸品。

一番出汁のゼリーとメロン酢を合わせており、爽快そのもの。

【坊主ごろし】は初めて頂いたが、ジャクジャクと力強い食感と香りのもずく。

御料理そのもののみならず、流れとして大変爽やかだと感じた。

酷暑に涼しさを求める方には是非とも体感頂きたい。

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平井牛ランプの燻製の炭火焼き、賀茂茄子

自家製の山椒油、粒マスタード、48℃で乾燥させた木ノ芽、珈琲オイルと、個性的な調味料を使用。

辛味大根の鬼おろしには平井牛の肉汁を混ぜており、フレンチのソースで言うところのジュを嫌味なく和食に適用させている。

塩のみで煮詰めたトマトも甘みが良い。

山椒油は香り良く、ほんのりピリリ。

珈琲オイルは違和感なく、香りが良い。

そして、肝心の平井牛ランプ。

旨味が強く、脂はほどほどで、酸味が魅力で香りが良い。

調理法が素材を活かし、個性的な調理法に耐える肉だと実感する。

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お食事

炊き立てご飯、削りたてのカネイチ商店のクラシック節、美山の平飼い卵、自家製塩鮭、香の物

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自家製塩鮭は1日塩蔵した後に風干し。

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いやあ、こういうご飯が良い!

一見素朴でありながら、良い素材とプロの極上の技で非凡な味へと昇華。

贅沢とは本質的にこう言う事であろう。

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水菓子、お薄

素晴らしい意匠の自家製生菓子!

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大和芋を用い、白餡と合わせた練り切りに、大納言の漉し餡を使用。

意匠は鉄仙(クレマチス)。

これは素晴らしい完成度。

芋は丹波のものを使用されているそうで、芋の香りが良い。

甘みは上品。

 

秋もお伺いしたくなり、確かな味わいと個性を持ったお店だと再認識しました。

 

前回の訪問記事となります。

 

店名:心根(こころね)

食べるべき逸品:独自の感性で季節を表現し、自然の恩恵を感じさせてくれる片山料理。

予算の目安:お昼8,000円もしくは15,000円のコース、夜15,000円〜

最寄駅:なし

TEL:072-691-6500

住所:大阪府高槻市中畑久保条15-1

営業時間:【お昼】12:00〜15:00、【夜】18:00〜21:00

定休日:火曜