すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 283 喜寿司@人形町

喜寿司

3代目親方・油井隆一さんから代替わりされてから、初めての訪問となります。

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前回お伺いしたのは相当前

運良く油井隆一に握って頂けたのは今となれば得難き思い出です。

今は二番手だった山岸氏が4代目親方となられ、暖簾を継がれております。

こちらは1923年(明治10年)創業となる、「江戸前鮨三大始祖」の一軒。

格式ある老舗が暖簾を守っておられるのは、鮨好きとして心から嬉しく思います。

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お店の外観ならびに内装の素晴らしさ、心地良さは一切変わらず。

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分厚い白木のカウンター、船底天井、年季の入った漆のつけ台…

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前回は夜でしたが、昼にお伺いしても随所に陰翳をたたえ、渋さを感じる内装です。

 

こちらは格式の高さに反して、非常に和やかな接客。

特に山岸親方は、ほぼ一見の僕に対しても爽やかに、きめ細かい接客を行って頂き、気持ち良かったです。

そして、流石に老舗だと感じた点は、お茶の差し替え。

申し分無いタイミングでお茶を替えられ、これについては今の若手職人も見習うべきです。

つけ場に立っていながらお客のお茶に目配りできない職人が多すぎる。

飲み客が増えた弊害かと思いますが、原点に立ち返って見直す事も必要です。

 

前回は夜におまかせに追加で頂いたのでお値段が張りましたが、お昼のお決まりは未だに3,500円!

しかも、老舗ながらに現代に通じる味わいを持っている点が凄い。

タネは老舗の矜持でお値段に対して明らかに良いモノを使用され、切り付けは厚い。

 

シャリは老舗らしさを感じる、味はまろやかで、温度は低めのもの。

ミツカンの米酢と赤酢(白菊と特醸優選か?)をブレンドし、砂糖不使用でありながらまろみを感じさせるシャリ。

温度管理を徹底する若手職人のシャリに比べると、確かに「弱い」かもしれません。

ただ、粘度は高くなく、米粒は粒だっており、仕事や切り付けと相まって一体感は高く嫌味がありません。

これぞ、老舗の仕事!

うわべでなく、鮨を本当に愛する人には響き続ける名店中の名店だと感じました。

 

喜寿司さんの握り

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ガリ

甘みを付けたクラシカルなもの。

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縞鯵

老舗にして1貫目が縞鯵とは!

バツッと爽快に弾け、トロりと脂を滲ませる。

そして香りが良い。

夏の海の香りを届けてくれるタネである。

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紀伊。酸味があり、旨味も乗ってきている。

これまた肉厚で、香りが良い。

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墨烏賊

産地は江戸前!

肉厚で、バツリ!と雄々しい食感。

食感は如実に音に表れ、快音爽快。

産地だけでなく、この食感こそ江戸前!と感じさせる。

それでいて、とろとろととろけゆく。

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帆立

これまた分厚い!

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3,500円とは思えません(笑)

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大根のたまり漬け

懐かしい深い漬け加減で、鮨の合間のアクセントに最適。

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鮪赤身

価格に対して誠実な味わいの鮪。

旨味もあり、酸味が心地良く滲む。

夏の鮪らしい鉄の香りも感じさせ、クロマグロである事が判る。

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佐島産。脱水せず生で。

直前に酢で洗っているかもしれない。

葱と生姜は混ぜずに噛ませる。
これは少々水っぽかったか。

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玉子

鞍掛は老舗の証左。

みっちり且つしっとり。

卵の香りが漂い、芝海老のオボロが優しく盛り上げる。

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穴子

煮上がり。ふわっととろけるような絶妙な煮加減。

そこに濃い煮ツメを合わせる。

酒の香りを強く纏う、こちら独特の味の穴子である。

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キュウリ巻き

シャリの酸味を感じさせ、爽やか。

ああ、それなりに酢を利かせたシャリなんだな…と感じ、それまで穏やかにタネと調和させていた仕事の妙を知る。

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小鰭 追加

しっかりした〆で、極めて緻密な食感が独特。

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繊維質は均一化しており、あたかもペーストのような印象を覚える。

細やかに小鰭の個性が広がる。

 

追加の小鰭は1貫700円でした。

圧倒的な格式に反比例して、実に心地良い接客と雰囲気のお店。

正に名店と評して過言ではないと、個人的に再認識しました。

 

店名:喜寿司(㐂寿司、きずし)

シャリの特徴:米酢と赤酢を上品にブレンドし、全てのタネに寄り添うシャリ。

予算の目安:お昼おきまり(握り8貫と巻物3)3,500円、5,000円、夜のおきまりは同額で握り6貫に巻物6、おまかせ11貫は10,000円

最寄駅:人形町駅から140m

TEL:03-3666-1682

住所:東京都中央区日本橋人形町2-7-13

営業時間:月~金11:45~14:30、17:00~21:30、土11:45~21:00

定休日:日曜、祝日