すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ日本料理編 No. 168 から木@茅野市(長野県)

から木

某料理人さんと信頼する友人からオススメされ、長らく訪問したかったお店です。

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過去2度予約を試みたのですが、1ヶ月半前でも取れず、今回は相当前に予約して訪問しました。

かなり前だったので何ヶ月前か忘れたほど(笑)

とにかく、今回の長野旅行で自身のメインとなるお店でした。

お店は2008年オープンとの事ですが、食べログのスコアは3.06程度で、ネット上の情報も少ない。

料理写真を見て、この素材と技術で何故!?と思いましたが、理由は明白で、食通の常連さんが多いと言う事かと思います。

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お店は一軒家を活かされており、素晴らしい内装です!

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内装だけなく、什器、器の全てに妥協無し。

ご主人の覚悟を感じさせます。

雰囲気は、落ち着けて、茅野にあって都会的です(笑)

から木さんの料理の概観

お料理を頂いた感想としては、

1. 全国のトップ生産者たちの食材を駆使する魅力

2. 食材の持ち味の引き出し方が巧み

3. 味覚の制御に長けている

と言ったところ。

一言で述べると、上品でありながら心を鷲掴みにされるお料理です。

各所に郷土性を盛り込みつつ、それだけに留まらない上質な日本料理。

都会から訪問しても都会の人気店に匹敵する楽しさを与えてくれます。

 

コースは8,000円、12,000円、16,000円の3つが用意されており、更に【季節のおまかせ】25,000~35,000円もあります。

今回は12,000円のコースを予約して訪問しました。

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飲み物は【奥会津金山の炭酸水】を。

ちなみに、ワインの品揃えが非常に豊富で、特に日本ワイン中心である点が嬉しいところ。

ここ数年、長野のワインはどんどん面白くなってきているので、運転が無ければ頂きたいところでした(笑)

 

から木さんの料理の詳細

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先付

茶わん蒸し、青森産海鼠生このこ添え。

お盆は広島県熊野町の「さしものかぐたかはし」の栗製漆器。

生このこの香りが抜群!

旨味もたっぷり。

塩気ならびに出汁の塩梅は大変上品。

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鮎の揚げもの

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鮎の産地は飯田。

稚鮎だが肝の旨味が強く、香りも良い。

小さいのに力強い味わい。

野菜は広島のスーパーファーム梶谷農園のもの。

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そして、使用されているお皿は当初唐津の三島かと思ったが、伺ったところ400年前くらいの朝鮮半島の三島(粉粧灰青沙器)であった。

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椀種は蛤、筍、椀妻は菜の花、吸い口は木ノ芽。

蛤が立派だったので産地を伺ったところ、「島根」との事で、更に突っ込んで伺ってみると、「浜田」とのご回答。

よって、間違いなく【鴨島はまぐり】と思われる。

非常に強い甘みの後、香りも力強く立ち上がり、軽やかな苦みが引き締める。

身質は非常に柔らかい。

高津川下流で育まれた当地の蛤は格別である。

筍は苦み無し。

肝心の吸い地はほぼ蛤と塩のみ!

ストレートに、旨い。

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お造り

鳴門のアオリイカと鯛の昆布〆。

鯛は昆布を超える旨味と香り!

アオリイカも甘い…きめ細かい包丁も魅力。

醤油は和歌山の三ツ星醤油。

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鰆の炭火焼き、山菜の天麩羅

醤油の絞り粕のパウダーを添えて、山菜はウドの芽、コゴミ、タラノメ、行者ニンニク。

火入れはレアとなっており秀逸。

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しっとり、それでいて全く水っぽくなく旨い。

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対照的に皮はパリパリ。

鰆自体は脂がしっかりと乗りつつ、酸味もあり、香りも良い。

醤油パウダーはどちらかと言うと味噌っぽい香りが微かにある。

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筍とアスパラガスの焼きもの

筍飯田の産で、アスパラガスは上諏訪産。

このシンプルな盛り付けも素晴らしいが、漬け地もまた酒、醤油、味醂とシンプル。

筍は力強い香りで、椀のものとは異なり苦みを楽しませてくれる。

この苦味によってアスパラガスの甘みが殊更引き立つ。

鹿子に入れた包丁は食感が良い。

こちらの醤油は糸島のミツルの薄口を使用されている。

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信州牛の小鍋

牛肉の筋を使用し、あしらいはクレソン。

朝摘みの花山椒を添えて。

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花山椒は東京では毎年値段が高騰しており、2019年春は何とキロ20万円を記録したが、本来は薬味である。

初めて具のように用いた麻布幸村さんの発想は見事だが、何処も彼処も追従したりお客が何処でも求めるのは、本末転倒。

食べ手は冷静になるべきである。

牛筋はホロホロ、とろとろ。

とろみを付けたツユは出汁が大変良い!

牛肉を完全に和食に落とし込んでおられ、これには大満足。

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お食事

ホタルイカとえんどう豆のご飯、留め椀、香の物

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ホタルイカは柔らかく、とろろんと身をよじらせる。

炊き加減も抜群だし、塩加減も控えめで美味。

留め椀は味噌汁で、コクが強く甘みある味噌を使用している。

香の物は生姜を利かせたキャベツと、もろみ。

もろみは味わい深い。

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お食事後のお茶が凍頂烏龍茶と東方美人のブレンド茶で個性的!

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水菓子

黒糖ゼリー。

非常に口どけが良いゼリーで、最後は口の中で溶ける。

黒糖の香りも上品に用いられている。

 

今度は是非とも秋のキノコや冬のジビエ肉を頂いてみたいところです。

 

店名:和食 から木(わしょく からき)

予算の目安:おきまり8,000円、12,000円、16,000円、おまかせ 25,000〜35,000円

最寄駅:茅野駅から260m

TEL:0266-75-0272

住所:長野県茅野市仲町5-4

営業時間:17:30~23:00

定休日:日曜、第1・第3月曜、他不定休

※完全予約制となります