すしログ日本料理編 No. 177 枕流荘京亭@寄居町(埼玉県)

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こんにちは、鮎に目がない、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

こちら「京亭」さんは、首都圏で「鮎料理の名店」とされるお店です。

数年前から訪問を試みていましたが、訪問当月に予約を取る事は至難。

何度か諦めた事があったので、今回は2ヶ月以上前から狙って訪問しました。

(約2ヶ月前から予約を受け付けておられるそうです)

お店は日本100名城の一つである鉢形城址の目の前にあります。

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しかも、荒川を挟んで向かいなので、都心から1時間程度とは思えないほどの景観です。

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建物は佐々紅華氏が1932年に建てた日本家屋。

昭和の旅館然としながらお部屋から庭園が眺められるので、非日常感があります。

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京亭さんの鮎について

鮎は昔は荒川の天然モノを使用されていたそうですが、今や鮎釣り名人の手にかかっても1回7尾程度とか。

よって、天然モノは県外産を使用し、荒川の養殖放流モノを併用されているそうです。

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そして、今回の天然鮎は岐阜高原川(神通川水系)のもの。

他に、新潟魚野川(信濃川水系)のものも使用されるそうです。

鮎のコースは6,500円から用意されており、7,000円のものから塩焼きが天然になるそうです。

今回は稚鮎の天麩羅が付くと言う8,000円のコースをお願いしました。

なお、こちらの名物である【鮎飯】は全てのコースに付くそうです。

全ての鮎が天然ではありませんので、その点はご注意を。

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御料理は全体的に突出してはいないものの、

雰囲気と合わせて頂くと満足できるクオリティです。

島根の美加登家さん岐阜の泉屋さん富山のふじ居さんと言った「超個性派店」と比較するのは詮無いですが、何はともあれ名物の【鮎飯】は非常に美味しいです。

女将さんが迅速に骨を外してから混ぜてくださるのですが、素敵な方、おもてなしの心を感じさせます。

御料理だけでなく総合的に癒やされるお店だと感じました。

京亭さんの鮎料理の詳細

こちらが頂いたコースの詳細です。

  • 先付:鮎の煮浸し、鮎の潤香(うるか)
  • 前菜:ツブ貝、鮎の骨せんべい、牛蒡胡麻酢、枝豆、とろろにオクラとマイクロトマト
  • 進め肴:鮎の一夜干し、蕗醤油煮
  • お造り:鮎の洗い
  • 玉子豆腐、じゅんさい、蟹、柚子皮
  • 焼きもの:鮎の塩焼き
  • 中皿:蟹真薯の石焼き
  • 油もの:稚鮎の天麩羅
  • 御飯:鮎飯、木の子椀、香の物
  • 水菓子:スイカ、赤肉メロン、白玉餡

 

先付

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鮎の煮浸し

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甘露煮としては甘みはそこまで強くないが、酒肴的な味わい。

身はホロホロ。

 

鮎の潤香(うるか)

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うるかもまた酒肴の代表格であり、苦味が強めで美味。

甘露煮との味覚的コントラストを楽しめる。

 

前菜:ツブ貝、鮎の骨せんべい、牛蒡胡麻酢、枝豆、とろろにオクラとマイクロトマト。

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老舗旅館でありつつ、骨せんべいを提供前に揚げている点が好印象(老舗は作り置きも散見される由)。

 

進め肴:鮎の一夜干し、蕗醤油煮

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鮎は中心はしっとりで、周囲はカリカリ。

脂が強く、香りは穏やかな鮎。

これは養殖だなと、味わいで分かる。

 

お造り:鮎の洗い

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中々に旨味の強い鮎。

香魚と呼ばれる鮎の魅力たる香りこそ天然に及ばないものの、

脂の乗りは鮎に苦手意識を持つ人のイメージを変えてくれるのではないだろうか?

ただ、山葵は残念なクオリティ…

 

玉子豆腐、じゅんさい、蟹、柚子皮

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じゅんさいのクオリティは悪くない。

出汁や甘みも、意外にも上品で良い。

 

焼きもの:鮎の塩焼き

京亭鮎の塩焼き

天然モノの鮎の塩焼きで、産地は岐阜高原川。

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肝は香りが濃厚で、身も旨味があり、繊維質はしっとり。

恐らくこれのみ天然か?と感じて伺ったところ、正解であった。

こちらの御料理を全て天然鮎と表現しているものも見かけたが、それは誤りである。

ただ、養殖の使用が決して悪いわけではない。

天然モノとなると価格が張るものなので。

振り塩はやや多め。

 

中皿:蟹真薯の石焼き

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中々に良い中継ぎ料理。

身はしゅわとろ。

蟹の香りと玉ねぎがたっぷりで甘い。

 

油もの:稚鮎の天麩羅

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衣薄く軽やかに揚げており、好印象。

塩気も穏やかだし、身はしっとりだ。

肝はしっかりした風味の稚鮎。

川海老も美味しく、身はむっちりで、甘く香り良い。

 

御飯

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鮎飯、木の子椀、香の物

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こちらの鮎飯は炊き込みスタイル。

前述の通り、女将さんの骨外しが素晴らしい!

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大葉と小葱を混ぜて提供。

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炊き込みなので鮎の出汁が出ており、1尾混ぜた天然モノの方は肝も使用。

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香の物は自家製の糠漬けで、椀はなめこ、豆腐、三ツ葉。

 

水菓子

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スイカ、赤肉メロン、白玉餡。

出来合い感が無く、美味しい水菓子。

 

お食事後、お庭を散歩させて頂き、良き時間を過ごさせて頂きました。

枕流荘 京亭さんのお店の情報

枕流荘 京亭(食べログのリンク)

店名:枕流荘 京亭(ちんりゅうそう きょうてい)

予算の目安:昼食5,000円、夕食6,000円、天然鮎塩焼きコース7,000円〜(税サ別)

最寄駅:寄居駅から700m

TEL:0485-81-0128

住所:埼玉県大里郡寄居町寄居547

営業時間:11:00~19:00

定休日:火曜

※完全予約制となります

 

【関連する記事】

個性的な鮎のコースを出されるお店です

島根の美加登家さん

岐阜の泉屋さん

富山のふじ居さん

 

鮎料理はシーズンに最低5回は頂きたい、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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