すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 249 吉野鯗@淀屋橋(大阪府)

吉野鯗(よしのすし)

久々に「高級な」大阪寿司を頂きたくなり訪問しました(笑)

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庶民的な大阪寿司ももちろん大変魅力的ですが、一流の店には一流の「技」が宿るもの。

こちらの「技」を確認したくなり訪問した、と言う気持ちもあります。

昔訪問した際には、江戸前の握り鮨とは完全に異なる味の一体感を感じた次第。

大阪ではたこ竹さんが休業し、東京でも八竹さん(築地店)が閉店するなど、大阪寿司を取り巻く環境は少し厳しい状況になっておりますが、こちらは1841年創業たる老舗の技を今後とも受け継いで頂きたいと強く感じます。

尚、店内には中々立派なカウンターがあり、前は【大阪寿司懐石】のコースをされておりました。

僕はそちらを頂いたのですが、現在は大人数の予約対応のみである模様です。

(8名以上、夜のみ、要確認)

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吉野鯗さんの【吉野揃え膳】の概観

この度頂いたものは【吉野揃え膳】3,240円。

大阪寿司を代表し、「二寸六分の懐石」と評される【箱寿司】に加えて、【吉野巻(太巻き)】、【季節の棒寿司(バッテラ)】、【ちらし俵】で構成されております。

【ちらし俵】とは【袱紗】と言う名物の小型版との事です。

 

まず、全体的な感想としては、正直なところ、過去に【大阪寿司懐石】で頂いた時よりも味が落ちておりました。

「作りたて」と「作りおき」で押し加減が変わる事は承知しておりますが、酢飯と具の一体感が決定的に弱いと感じた次第です。

思うに、要因は「作りおき過ぎ」(時間が経過しすぎ)なのではないか。

ただ、箱寿司はそもそも時間を置いても美味しいものなので、押し加減と魚の仕事のアンバランスも要因かもしれません。

もしくは切断面が粗かったので、包丁の研ぎが甘いか、包丁の技量が低いかが理由だと推察されます。

 

酢飯はやや硬めに炊き上げて、酢を利かせているところが特徴です。

こう書くと当たり前のように思われるかもしれませんが、大阪寿司としては特徴のある酢飯だと思います。

人によっては、酢飯だけだと酸味がやや気になるかもしれませんが、甘みを持つ具の寿司が多用されているので、全体的なバランスは良いと感じます。

 

吉野鯗さんの【吉野揃え膳】の詳細

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【箱寿司】

一体感については前述の通りだが、個々の個性は強く、魅力的な事は確か。

細かい仕事は大衆的なお店のそれとは少し異なる。

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鯛は昆布でバッチリ締めており、昔の仕事を感じさせる。

海老は酢で洗ったり、烏賊にも酢を軽く当てている。

これらは保存性に加えて酢飯との一体感を高める為の仕事。

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鯛と烏賊にキクラゲを合わせている1つは興味深い。

とりわけ印象的だったのは穴子。

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穴子の風味は強く、しっとりほどける食感に老舗の仕事を感じた。

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【吉野巻(太巻き)】

穴子、椎茸、玉子。

しっとりしゅわっと溶けるような玉子が美味しく、海苔の風味も良い。

もう一つは干瓢で、じゅわっと甘みが滲み、食感が良い。

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【季節の棒寿司(バッテラ)】

酢をかなり強めに利かせた白板に薄い鯖を合わせている。

これは鯖に白板昆布が勝っている印象。

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【ちらし俵】

刻んだ海苔、椎茸、穴子を酢飯に混ぜ、薄焼き卵で巻き、木ノ芽をあしらった品。

これも大阪らしい組み合わせで美味しかった。

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【船場汁】

上品な鯖出汁に大根の甘みが滲む。

これは予想外に美味しい船場汁であった。

 

尚、ガリはしっかり漬けられており、酸っぱい。

これが、甘みのある大阪寿司に相性が良く、甘みの強いガリでない点に、かつての職人さんの工夫を感じるばかりです。

 

僕は味と同様に伝統も重んじる主義ですが、伝統を残すためにもかつて頂いた味が復活する事を祈念しております。

 

店名:吉野鯗(よしのすし)

予算の目安:箱寿司詰め合わせ1,450円、箱2枚折詰3,200円など

最寄駅:本町駅から400m

TEL:06-6231-7181

住所:大阪府大阪市中央区淡路町3-4-14

営業時間:昼[月〜金]11:00~13:30、お持ち帰り[月〜金]9:30〜15:00

定休日:土曜、日曜、祝日