すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 247 鮨みずかみ@半蔵門

鮨みずかみ

こちらは2018年3月にオープンした気鋭の鮨店です。

自身を取材頂いた『TJMOOK 寿司を極める。』で知りました。


そして、更に調べると心根の片山さんと古いご友人であると知り、味と共に出会いに対する期待を抱いてこの度訪問しました。

親方の水上行宣さんはすきやばし次郎で小野二郎氏の薫陶を受けた方。

前述のムックによると、川崎市の鮨店で7年間修行された後にすきやばし次郎に入店。

厳しい「二度目の下積み」と六本木店で15年間の修業を経て、2018年3月に半蔵門に出店されました。

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お店は皇居や吹上大宮御所に近い半蔵門の一等地にあり、極めて閑静です。

店内も細部に気をかけておられるのが分かる凛々しい内装。

端正なマスクの親方にピタリと合った雰囲気です。

みずかみさんの概観

そして、頂いた感想。

水上さんの握りはすきやばし次郎とも青空とも異なります。

シャリは味わいも大きさも、非常に存在感がある。

使用する酢は米酢のみで、酸味をバッチリ利かせつつ、塩気は意識的に抑えておられます。

粒は当世流に硬く炊いてはおらず、温度も現在のスタンダードからすると少し低め。

しかし、ほどけ加減は良く、食べ続ける魅力=連続性のあるシャリです。

現代の流行りである、1. 赤酢の使用、2. 少し高めの温度、3. 小さなシャリ、の逆を行き、一言で述べると「硬派」と言う言葉がフィットするシャリだと感じました。

飲み鮨ではなく、あくまでも握りを楽しまむ為のシャリ。

お酒目的で鮨店に行く人が増えている当世において、次郎マインドを継承し、端正な存在感を放つお店だと思います。

よって、強いてどんなタネに合うかと言われれば、甘みや旨味の強いタネとの相性が抜群です。

それでいて、白身魚の妙味も殺さず引き立てます。

 

また、シャリのみならず仕事も硬派。

仕事はシャリに合わせるものなので当たり前かもしれませんが、時に個性を優先したシャリも存在する当世。

こちらはあくまでもシャリありきであり、用いる仕事はストレートな江戸前です。

【煮帆立】のような古い仕事も混ぜられる点も魅力的ですが、光物の〆の仕事は堂に入っております。

とても、40代前半とは思えぬ程に(笑)

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握り20貫で構成されるコースは2万円と言う価格でありながら満足度は非常に高く、鮨好きであれば唸る事間違いありません。

この時代に登場した、黒光りする(燻し銀の)綺羅星だと感じました。

 

その後の訪問記事(2019年12月30日アップ)

ばらちらしの記事 (2020年4月5日アップ)

 

 尚、おしぼりも次郎マインドを継承しており超熱々!

十分気を付けてください(笑)

 

この度頂いた握り

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頂いた日本酒

水芭蕉・純米大吟醸。

こちらのお酒は瓶ビールと日本酒2種類のみ。

もう1つの日本酒は次郎と同じ賀茂鶴ゴールド。

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先付

千葉県産の生ヒジキ。

極めて希少な国産生ヒジキ。

香りが良く、柔らかく気持ち良い独特の食感が魅力。

粋な鮨店の先付!

 

ガリ

シャープな酸味を甘みが支える。

甘みの使用はシャリとのバランスを考えてか。

薄切りで食感はシャクシャクと気持ち良い。

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真子鰈

噛み締めるごとに香りが高まる。

効果的に寝かせて旨味を高め、酸味が強いシャリとの相性が良い。

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新イカ

滑らかな食感にバツバツした食感が加わる。

8月上旬のものよりも墨烏賊らしい食感が高まっている。

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昆布〆で、昆布は香りも旨味もしっかり乗せている。

しかし、身の食感はしっとりで、鱚の淡い香りも楽しませる。

古い仕事を現代的に解釈した良い仕事だと感じる。

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帆立

肉厚で、包丁が細かい。

後に登場する煮帆立とのコントラストが素敵。

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春子

これもバッチリ〆。

しかし、みっちりした身はしっとりとほどけ、純粋にクラシカルな春子の仕事とは全く異なる。

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エゾイシカゲガイ(イシガキガイ)

甘みが非常に強いエゾイシカゲガイ。

処理が良い証。

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鮪中トロ

ねっちりした身を噛みしめると旨味が来て、酸味が高まる。

そして、強い香りが大変印象深い。

噴火湾の50キロ。

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鮪大トロ

これまた香りが良い。

そして、舌に媚びない脂が魅力。

こちらは塩釜の100キロ。

仲卸は結乃花(ゆのか)を使われているそうだが、これは確かに魅力的な鮪である。

ともに旨味、酸味のバランスに加えて食感や香りも上質であった。

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小鰭

抜群のしっかり〆!

旨味を強めているので噛みしめる喜びがあり、徐々に高まる香りも後を引く。

雄々しく、凛々しい小鰭の仕事。

当世流行りのしっとりした塩梅とは異なるが、九段下・寿司政のような古典的なものとも全く異なる。

古典で勝負し現代に成り立たせている魅力的な小鰭である。

大トロの後にこの小鰭でリセットする流れも粋だ。

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北寄貝

炙っており、甘みに加えて香ばしさが良い。

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さっぱりでシャリの酸味と合う味わい。

小鰭の後に北寄貝の甘みで緊張をほどきつつ、炙りの香りで食欲をキープし、

鯵の脂で上品に食欲を高める流れ…そして、

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イクラ軍艦

「卵」らしいねっちりした味わいを楽しませてくれるイクラ。

こちらもまた、久いちさんと同じく沸騰したお湯を使用されているそう。

「100℃では無理」と言う人もいるが、個人的に美味しいと思うイクラは90~100℃で処理されている事が多い。

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車海老

茹で上げで、しかも肉厚。

ひたすら甘い!

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北海道産。脂が非常に多く、見た目からして蠱惑的。

味わいも言わずもがなで旨い。

そして、香りもしっかり鰯なのだが、まろみを帯びており、クセが無い。

精度の高い処理と〆加減。

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海胆

利尻の赤海胆。

濃厚!ストレートに走る香りも良い。

ボリューム感が凄い。

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新イカゲソ

煮ツメで。

コリコリしたゲソの食感に煮ツメの甘みが絡む。

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まず、藁の燻蒸香が素晴らしい!

鰹の力強い味わいと競奏する香り。

【藁火で炙る鰹】は次郎の名物の一つだが、水上さんの鰹は素晴らしい。

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煮帆立

煮る事で繊維質はみっちりしているが、しっとりした凝縮加減なのは現代的。

保存方法としての煮帆立を料理に仕上げている。

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お茶

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これも勿論(笑)、しっかり目の〆加減。

凝縮されつつ、しっとり。

脂がじゅわっと滲む。

これまた媚びない〆仕事。

尚、本日の鯖は千葉・鴨川産で、それまでは松輪のものを使用されていたそう。

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穴子

甘みを感じさせた後に野趣がこみ上げてくるため、産地を伺ったところ予想通り江戸前。

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道南の真昆布のみを使用した吸い物。

真昆布と言っても分厚いものを選んでいるそうで、これは旨い。

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干瓢巻き 追加

干瓢は甘みがやや強めで、柔らかめの志向。

親方のシャリに合う仕事。

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玉子

しっとり…の後にしゅわわっ!と溶けるかのような玉子。

表面は香ばしい。

海老の香りも楽しめ、流石カステラ玉子元祖のお店出身。

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水茄子

 

秋に再訪したいと思います。

 

店名:鮨みずかみ

シャリの特徴:米酢のみを使用し、酸味が強めで、塩気は穏やか。食べ疲れない米酢のシャリ。

予算の目安:ランチの握り15,000円、夜の握り20,000円、酒肴+握り25,000円

最寄駅:半蔵門駅から250m

TEL:03-3230-0326

住所:東京都千代田区一番町3-8 大宮ビル1F

営業時間:11:30~14:00、17:30~21:00

定休日:日曜