すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 234 こいづみ@野町(石川県)

こちらは金沢で紛れもない本物の江戸前鮨を楽しめるお店です。

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親方の小泉さんは東京・九段下の寿司政で修業されたチャキチャキの江戸ッ子。

寿司政と言えば1861年に創業された東京の老舗中の老舗の鮨店です。

さらに、親方は各地を渡り歩き、鮨職人としてのキャリアは40年超と言うので驚きです。

そして、魚は築地から引っ張らず、地物で勝負されており、江戸前のタネのみならず北陸ならではのタネも江戸前仕事を施される点が魅力です。

訪問時の食運頼りの珍しいタネもあるので、魚好きには堪らないお店です(笑)

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なお、老舗ご出身ではありますが、タネは室温に慣らされ、シャリは人肌。

そして、山葵は提供直前に銅板でねっちりと擂られます。

この辺りの気配りは老舗一店にいらっしゃった方とは異なり、各地で握ってこられた片鱗を感じさせます。

寿司政仕込みの仕事も親方独自の領域へ昇華されております。

 

シャリは赤酢を用いた旨味の強いシャリ。

そして、米の存在感が印象的で、もっちりしつつほどけが良い。

味付け的にはまろやかなのに、しっかりと美味しいシャリです。

尚、お米はほんだ農場の有機米である「加賀百万石」を使用されている模様。

なお、お店の内装は昭和のバブル感(失礼!)があり、少し驚きますが、何となくアトラクション的な要素もあるので、意外に落ち着きます(笑)

子連れでもOKなようなので、本格的でありながら懐の広いお店だと思います。

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頂いた日本酒

五凛純大吟1,300円、農口純米1,000円

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鱸、金目鯛

凍らせた岩塩プレートに酢橘を絞って頂く。

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鱸は実に力強い旨味!

食感はしっかり目だが、軽く寝かせている模様。

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金目鯛も脂が乗っており美味しく、この食べ方に合っている。

凍らせているため清涼感も抜群。

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鯛の酒盗、クリームチーズ

こりゃ問答無用に旨い。

酒盗的な癖は無い。

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赤イカ

標準和名は剣先烏賊で、標準和名アカイカのイカではない(ややこしい…)。

北海道産の山わさびに鰹節、葱、醤油を混ぜた調味料で。

イカは非常に甘く、それにこの自家製調味料が相性抜群!

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ガリ

甘みと付けつつ辛味の有るガリ。

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いくら、海胆

北海道マルカワ水産(根室)の海胆で甘い。

 

ここから握りに移行します。

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ウマヅラハギ

肝を噛ませ、旨味が炸裂する。

身の方はしっかりと食感があり、噛み締めながら余韻に浸る。

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トリ貝

七尾産で、限られた時期しか入手できないトリ貝との事。

しゃくっ!しゃくっ!と気持ち良い食感を満喫していると、甘みが充満し、上品な磯の香りが広がる。

実に美味しいトリ貝。

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鮪赤身

富山産。旨味が強く、酸味が心地良い夏鮪。

漬けではなく、煮キリを塗ってしばらく置いたもの。

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車海老

七尾産で、湯で置きだが提供前に湯に漬ける。

親方いわく「温泉」。

甘い、そして力強い香りが印象深い。

余韻も長く、非常に鮮烈な味わいの地車海老。

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鮪中トロ

舞鶴産。赤身と産地を変えられているところが素敵。

旨味はしっかりしており、正にトロトロとろけ、甘み主体。

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出汁巻き玉子

甘みを付けた出汁巻き玉子。

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ノドグロ(アカムツ)

昆布〆の後に軽く炙り。

〆で程良く脱水されており、ぷるんとした食感が魅力的。

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蜆と昆布出汁の吸い物。

昆布が強めなのは北陸らしい。

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伝統的な漬け込みの仕事!

じっくりと漬け込んでいる。

そして、そこに濃厚な煮ツメを合わせる。

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穴子

地もの(能登)の穴子で、肉厚なサイズ感に驚く。

いざ口に運ぶと皮はとろりととろけ、身がホロホロと消えゆく。

旨い。

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干瓢巻き

干瓢は柔らかく炊いて刻んでいるが、食感も感じさせる。

醤油を強めに用い、山葵と合わせる好みの味付け。

香り良い海苔も魅力。

 

 

こちらで一通りですが、タネ箱に小鰭があるのを目ざとく発見し、追加オーダー。

そしたら親方が「寿司政のものと洒落のやつ2種類がある」と魅力的なコメント。

もちろん両方頂きますとも(笑)

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小鰭

こちらが「洒落のやつ」で、昆布〆にされている。

断面はしっとりしているものの、きっちり〆ておられ「なまくら」とは無縁の小鰭。

小鰭では珍しい昆布〆も巧く、グルタミン酸の転移は程良い塩梅。

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小鰭

こちらが寿司政仕様。

4時間かけて〆と酢漬けを行い、3日寝かせていると言う小鰭。

これは正しく寿司政!

保存食としての小鰭の仕事であり、酢が回りインパクトのある味わい。

ぐわーっと旨味、香りがこみ上げて来る小鰭だ。

親方はこれら2種類の小鰭を「文明の小鰭」「文化の小鰭」とも表されていた。

成る程!

 

お任せは11,880円で、お会計は18,000円なので、小鰭が1貫1,800円ほどでしょうか。

少しお値段が張りましたが、味わい的には大満足です!

地元の魚に江戸前仕事を施すお店を僕は大好きですが、親方の江戸前仕事は流石に堂に入っており、鮨好きには堪らない魅力があります。

それを自尊心が強い古都である金沢で試みておられるのが凄いです。

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店名:鮨処こいづみ

シャリの特徴:赤酢を巧みに用い、旨味が強く、まろやかながらに印象深いシャリ。

予算の目安:おまかせ11,880円~

最寄駅:野町駅から1,400m

TEL:076-254-5355

住所:石川県金沢市片町2-30-9 大井ビル1F

営業時間:18:00~23:00(L.O.22:00)

定休日:日曜、祝日