すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ日本料理編 No. 141 陶冶処風庵@八重瀬町(沖縄県)

こちらは沖縄料理を独自の観点で解釈され、素敵なもてなしを受ける事が出来るお店です。

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読谷山焼・大嶺實清氏の作品に魅了されたオーナー夫妻は、料理を「器」の為に提供されており、非常に個性的です。

美味しさだけでなく芸術性も盛り込まれているので、登場する料理がことごとく美しい!

「次は何だろう」と言うワクワク感が止まらないお店です。

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今回の沖縄滞在中にたまたま琉球新報社で大嶺實清氏の展覧が開催されておりましたので行ってみました。

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展覧で幾つかの先品を目にする事によって、お店で使用されている器が素晴らしいものばかりであると実感しました。

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そして、料理、器と来て、こちらは接客も素晴らしい。

現在は昼も夜も完全予約制なのでゆったりと頂く事が出来ますが、さらにオーナーの金城男(きんじょうだん)さんの柔らかな接客に寛ぎを覚えます。

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料理は出汁を重視しておられ、野菜が多く使用されている点が特徴。

ご近所の農家さんの野菜のようです。

そして、伝統的な沖縄料理にアレンジを加えており、全てが上品な味覚バランスで構築されております。

頂いて「こんな沖縄料理の表現があったのか!」と思わされます。

 

アサバンのコース(7,000円)
・ウシル(ハナジル)
・チューヌヤーセー
・ヤーセーンスシ
・如意麺(ルーイ)
・アブユンソーキ
・タジネームン
・ウシルワン(如意)
・ウチャ(箸下)
・ウクヮーシ
・ヌチグスイ
・贅沢珈琲

 

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ウシル

この後の料理に用いる出汁。

テイスティング的に頂きます。

キリッと力強い鰹の風味に、豚や鶏を混ぜてまろやかさも持つ。

また、鰹の酸味も感じさせるところが特徴。

食欲が高まるし、プレゼンテーションとしても嬉しい。

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チューヌヤーセー

モロヘイヤのスムージーで、あしらっているのはモロヘイヤの新芽。

頂いてみるととろんと濃密ながらに青臭さは皆無。

バナナの自然な甘みと風味が巧く用いられており、パイナップルの甘みや酸味も使用されている。

スッキリした味わいで、余韻にモロヘイヤが上品に漂う。

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ヤーセーンスシ

野菜寿司。

奥左から長命草とハイビスカス、雲南百薬タネ部分塩、黒人参、アロエベラ、ミミグイ(木耳)、お米は五穀米なので風味豊か。

魚を用いた鮨と同じく、素材ごとに仕事を変えておられる点が面白い。

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ハイビスカスには甘みを付けて炊いており、食感はシャクシャク。

雲南百薬は胡麻油、塩、海苔で、何となく韓国海苔的な味。食感はトロトロ。

キクラゲには山葵を利かせている。

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人参は極薄切りで、柔らかく炊いて、味付けは味噌味。

アロエベラはピリ辛で、食感はトロシャク。唐辛子系の辛さを付加。

全体的に味をはっきり付けて食べ応えを高めている。

野菜のクセ(青臭さや苦味など)が巧く緩衝されている。

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如意麺(ルーイ)

米粉と小麦粉をブレンドした麺。

スープは出汁に山芋、梅、麺はくにゅくにゅ、むっちりした食感で、香りも良い。

梅のサッパリした酸味と塩気が利かされている。

暑い気候に嬉しい麺料理。

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アブユンソーキ

炙りソーキ、付け合わせはケールなど。

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肉は骨からするりと外れる。

繊維質はホロホロ、しっとり。

出汁主体でまとめられており上品な味付けで、程良い豚の脂をあっさりと楽しめる。

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実に美味しいソーキである。

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タジネームン

「他には無い」を意味する一皿。

レンゲに入っているのは肩ロース肉の冷しゃぶ。

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他の肉は伝統的な塩漬け肉が3種。

グーヤヌジー=腕肉はブラックペッパー風味。

ヌーディグスミチ=喉軟骨はコリコリ食感で、ハーブ類の香りが良い。

ウチナガニ=フィレはしっとりした食感。

昔は保存方法であった沖縄の塩漬け豚を上品にアレンジしている。

また、これも全て違う味付けで仕上げている点が嬉しい。

付け合せはビーツや下のはパパイヤ、トマト、パッションフルーツなど。

蜂蜜マスタード漬けのクルミとカシューナッツも。

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ウシルワン

最後まで出汁が美味しかった。

麺は水で締めたものとは異なる食感で、くにゅくにゅ、モチモチ、つるつると、すするのが心地良い。

そして、自家製の辣油が凄い。

かなりの辛さを誇り、香りが素晴らしい。

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お土産に入手することも可能(↑もちろん僕は入手しました)。

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ウチャ

月桃茶

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ウクヮーシ

ヨーグルトのムースにカボチャのソース、黒糖、紅芋チップ。

ヨーグルトはみっちりした食感で、カボチャのソースは濃厚!

黒糖がヨーグルトの風味に合う点も嬉しい発見。

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ヌチグスイ、贅沢珈琲

ずっしりと存在感のある珈琲と銘菓【きっぱん】。

【きっぱん】とは300年ほど前に中国・福州から伝えられた菓子で、冬瓜を砂糖漬けしたもの。

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1889年に創業された謝花きっぱん店の【きっぱん】を使用されている。

【きっぱん】は意外にも中から水分が溢れ、じゅわっ、サクッと言う他には無い食感と味わいである。

まぶされたココナッツの風味も魅力。

 

冒頭でも書きましたが、味、雰囲気、接客の全てが素敵なお店です。

 

店名:陶冶処風庵(とうやどころふうあん)

予算の目安:昼の器遊び7,000円、5,500円、夜訪問者数によって8,000円〜10,000円で変動

最寄駅:なし

TEL:098-996-0020

住所:沖縄県島尻郡八重瀬町友寄108

営業時間:要相談

定休日:不定休

※昼夜ともに人数限定の完全予約制となります(予約電話は17時まで)