すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 233 ペンションびせざき@本部町(沖縄県)

こちらは店名が示す通り、完全なるペンションです(笑)

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しかも美ら海水族館に近く、フクギ並木道にも歩いて行ける立地。

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「沖縄で鮨」と言うだけでもハードルが高いのに、那覇から外れたこの場所で、まさかの江戸前鮨を頂けると聞いた時は胸が踊りました。

しかし、リサーチを重ねても情報が少なく、これは行ってみるしか無いなと思って、数年が経過…この度、念願の訪問が叶いました。

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前述の通り、お宿はフクギ並木道の近くにあり、観光上の立地は最高です。

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その上、プライベートビーチもあり、ちと岩礁的ですが開放感は抜群。

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家屋は昔ながらの沖縄の民家を思わせ、高級リゾートでは決して味わえない雰囲気が素晴らしいです。

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非常にゆる〜い空気が流れており、宿のご家族との距離感は近く、チェックイン時点から和みしかありません。

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ざっくばらんなので、人によっては不安になるくらい和みます(笑)

しかし、そんな空間にあって、当初、ご主人には寡黙かつ無愛想な印象を抱きました。

頑固な方なのかな?と思いつつ、海に泳ぎに行き、特別に頼んだ鮨コースを心待ちにしました。

 

海から戻り、熱いシャワーを浴びて臨戦態勢。

いざ、夕食時間の19時に鮨カウンター(があります)へ向かいます。

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この御仁こそ、親方である熊本やすみさん。

先ほどまで不愛想な印象を抱いていたのに、一瞬で緊張がほぐれました。

いや、別の緊張が走ったかもしれません(笑)

 

しかし、結論から述べると熊本さんの握りは美味しい!

握りの手数は少なく、沖縄でまさか!と驚きました。

シャリは米酢を用い、甘みを付けてやや硬めに仕上げたもの。

こう表現するとオーソドックスに聞こえるかもしれませんが、個性があって美味しいシャリです。

実はお米も特注品との事で、

秋田の生産者さんが熊本さんのためだけの田んぼで作られております。

山葵は抜かり無く本山葵。

沖縄では本山葵と言うだけで嬉しいものです。

 

熊本さんいわく、本来ならば4月から10月までは鮨を出したくないのだが、県外からのお客さんには出している、との事。

本当の希望は、魚が本当に美味しい冬に来て欲しい…そうです。

僕が訪問した際は更に台風とバッティングしてしまい、海の状況としては大変厳しいタイミングでした。

しかし、頂いた幾つかの握りだけで熊本さんの握りの魅力を痛感し、これはいつか冬に再訪したい…と心から感じた次第です。

なお、使用される魚は自分で獲ってくるものもあるそうですが、北海道から福岡まで幅広くから空輸されているそうです。

 

チェックアウト時に名刺を頂き、肩書を見たところ「寿司迎人」。

響きはコミカルですが、おもてなしの心意気は鮨に表れており、温かな気持ちでお店を後にしました。

 

それでは、ペンションびせざき・熊本さん渾身の、鮨のコースをご紹介します。

(繰り返しになりますが台風が上陸したため、真のコースとは違う可能性があります)

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お酒はビールは勿論オリオンで、自家製ブレンドのロック用泡盛と水割り用泡盛があります。

僕は鮨を頂く際には日本酒を頂きますが、こちらの泡盛はまろやかなので、鮨の味わいを壊さない味わいでした。

器については、琉球ガラスの名手・稲嶺清吉さんの作品を主に使用されております。

 

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ツマが海ぶどうと言うのが沖縄らしい。

ガリには黒糖が用いられており、薄切りでシャキシャキした食感。

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めかぶ、もずく、山芋の酢のもの

暑い日に嬉しい一品。

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枝豆

地味に調理が素晴らしく、香り良く、硬めの食感が快感。

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食感を残した火入れで、噛みしめるほどに旨味が満ちてくる。

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石鯛

食感はぷりぷりで、脂たっぷり!

これには鮨への期待が高まった。

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アーサ(アオサ)のかき揚げ

香り抜群!そして、海老の風味が堪らない。

揚げ加減はサクサクで、油切りも申し分なし。

アーサのかき揚げやもずくの天麩羅は一般的に油っぽい事が多いが、実に上品。

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出汁巻き玉子

甘みが優しい味わい。

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べったら漬け

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ソーミンイリチー

いきなり凄い逸品が登場。

極細のソーミン(素麺)を固茹でで仕上げ、実に歯切れが気持ち良い。

錦糸卵も極細

浅葱に加えてバジルも用いているようで、塩分は上品で最適。

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海胆ご飯

酢飯に大振りな海胆を混ぜた後、海胆をトッピング。

贅沢な使用量で驚き、沖縄でまさかの海胆祭り(エゾバフン海胆)に驚いた。

なお、沖縄の海胆と言えばシラヒゲ海胆が一般的で、生殖巣の甘みはキタムラサキ海胆に近しい(と思う)。

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揚げ出しジーマーミ豆腐

これは面白い試み。

餡には白身魚と蟹が使用されており、旨味が強い。

そして、ジーマーミ豆腐にはクリームチーズが混ぜられている。

印象深い創作料理であった。

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薬味がたっぷりで、浅葱、生姜、大葉。

ただ、鯵自体の味わいが力強く旨味も強いため、薬味に負けず協奏する。

 

この後、握りに移行します。

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鮪中トロ

時期を考えると沖縄産だろうか。

口にして、握りも上質である事を実感する。

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石鯛

お造りとは異なる魅力があり、一言で旨い。

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石鯛の縁側

脂の旨味が極めて濃厚で驚いた。

素晴らしい一貫!

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島らっきょうの巻物

山葵は指で一閃に引かれ、海苔を巻く精度と速度もかなりのもの。

島らっきょうに胡麻と鰹節が加えられており、味覚のバランスが取れた巻物。

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小鰭

当日の〆で寝かせてはいないようだが、塩を効果的に当てているため、旨味が十分に凝縮されている。

そして、力強い香りを楽しめる。

これが沖縄ってのが面白く、しかもペンションとは…!

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水茄子の漬物

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鮪大トロ

濃厚すぎずサッパリ感もある夏の鮪のトロ。

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海胆、鮪の巻物

問答無用で旨いやつ(笑)

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アラを用いた味噌汁

魚(石鯛か)の濃厚な旨味が出ており、実に気持ちの良い〆となる。

 

大興奮、大満足な沖縄流の鮨でした!

台風で飛行機が飛ばず、タネが限られた中、最大限もてなして頂いたと感じます。

 

おまけ、朝ごはん

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なかなか頂けない沖縄の家庭料理に心から喜びました。

観光エリアでは頂けないですからねえ…

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ゆし豆腐入りの味噌汁が心に沁みました(肝臓にもw)。

 

さらに、お土産に超太巻きまで頂きました。

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帰りのフライト前に空港で頂いたけど、美味しかった。

 

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親方がオススメする冬に再訪する日を夢見て。 

 

店名:ペンションびせざき

シャリの特徴:米酢を用い、甘みを付けてやや硬めに仕上げたシャリ。

予算の目安:宿泊12,000円+鮨5,000円

最寄駅:なし

TEL:0980-48-3429

住所:沖縄県国頭郡本部町字備瀬1024

チェックイン時間:15:00~

定休日:要確認

※宿泊施設となりますので、完全予約制です