すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ日本料理編 No. 140 潭亭@儀保(沖縄県)

2016年にお伺いした那覇・虎頭山にある潭亭さん。

夜にお伺いしたいと言う思いがずっとあり、この度再訪の機会を設けました。

こちらが提供される「八重山料理」に関しては過去の記事のリンクをご参考頂くとして、再訪した感想としては、繊細で心に染み渡るような料理にじんわりと感動を覚えました。

改めて良いなぁ…と実感。

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そして、眺望も昼の方が良いかも、と思ったものの、夜は首里城がライトアップされ、那覇の夜景が殊のほか綺麗なので、期待以上の開放感を味わえました。

なお、お昼のコース(5,400円)と夜のコース(10,800円)の最大の違いは、八重山産の魚介と【どぅるわかしー】の有無。

前者のイカ料理も面白かったですが、【どぅるわかしー】は至高の完成度で、夜に訪問して良かったと感じさせられました。

【どぅるわかしー】は内地ではあまり提供されていない琉球料理ですが、作り手のセンスがダイレクトに現れる興味深い一品だと思います。

何軒か食べ比べてみると、面白いかと思いますよ。

例えば、宮廷料理と言えば最も有名な美栄さん郷土料理として沖縄料理を出される琉音さんなどがオススメです。

 

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薬草茶

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八重山東道盆 (トゥンダーブン)

前菜の盛り合わせとなり、泡盛に漬けた梅のお酒、豆腐よう、ゴーヤーゼリー、八重山味噌、ナーベラー(へちま)。

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食前酒はキリッと酸味が立ち、媚びたような甘みが無い。

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全て美味しいが、濃密な旨味の豆腐ようは矢張り秀逸!

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島野菜と胡椒の葉入りがんもの炊き合わせ

オオタニワタリ、アダン、島人参、ピパーチの葉入りがんも、揚げ麩など。

がんもどきが印象深く、ピパーチ(ヒハツモドキ)の香りが良く、ピリッと引き締める。

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濃厚な甘みを持つカボチャ、出汁が染み込み自身の甘みを強調する大根など、全ての素材が滋味深く、沖縄の野菜の骨太さを感じさせる。

出汁は昆布が利かされており、旨い。

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どぅるわかしー

どぅるわかしーとはたーむ(田芋)を用いた和えもの。

こちらのものは旨味がしっかりと乗っており、絶品。

芋の甘みに豚肉や椎茸などの旨味が複雑に絡んでおり、インパクトが絶大だ。

これは後を引く旨さ!

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ンジャナ(苦菜)の白和え

胡麻を積極的に用いつつ、大豆の風味が更に強く、これもまた美味。

苦菜の苦味が徐々に高まり、沖縄でしか味わえない料理になっている。

前回よりも一体感が高いように思ったところ、胡麻はすり胡麻のみとなっていた。

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ジーマーミ豆腐

素晴らしき食感。

もちっ、くにゅっ、トゥルン、とろん…と飽きさせない食感のジーマミー豆腐。

そして、香りがぶわっと広がるのだが、香りが兎に角凄い。

鰹を利かせた醤油、これの塩梅も良い。

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ジーマーミの椀

吸い地は主に鰹とジーマーミで、椀妻はハンダマ。

いやはや、旨くて甘い。

出汁と塩を巧みに操り、沖縄…いや、こちら独自の椀へと昇華。

ハンダマの独特の香りがふわっと優しく漂い、弱い苦味がアクセントに。

この吸い地は日本料理の椀では決して成り立たない塩梅であり、二度頂いても感銘を覚える。

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漬物の盛り合わせ

パパイヤ、ゴーヤー、クワンゾウ、梅鰹、島らっきょうなど。

付け合せは生の長命草。

前回も魅了されたが、全て異なる漬け方、味わいと言うのが面白い。

 

夜の表情 その1

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コウイカの燻製和え

沖縄で「コブシメ」と呼ばれる大型のコウイカであり、沖縄で有名なセーイカ(ソデイカ、標準和名アカイカ)よりも高価なイカ。
それをスモークして、長命草ならびに生姜と和えている。

どうやら島では生のイカを食べない文化との事で、必ず茹でたり燻製にしたりするそう。

これは意外だった。

スモークの塩梅は上品で、身はしっとりと火入れされている。

イカは、コウイカ科らしく歯切れが良い。

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お造り

この流れでお造りとは、面白い。

魚は笛吹鯛とキハダマグロ。

鯛は酢醤油で頂く。

山葵は完全に粉でアレだけど、魚はそのまま頂いても美味。

笛吹鯛は脂が結構乗っている。

キハダは鮪の中では脂が控えめなだけあり、爽やかな酸味とふんわりした旨味なので、終盤戦でも楽しめる。

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肉巻き牛蒡、玉子、クロカワカジキの昆布巻き、八重山蒲鉾、田芋(たーむ)の素揚げ、みぬだる。

田芋はひたすら甘いが、サツマイモみたいに糖化はしていないのでサッパリ感もある。

こちらのみぬだるは味付けが非常に控えめ。

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胡麻の風味は濃厚ながら、ペーストには甘みを付加しておらず、胡麻の甘みだけで構成。

このようなみぬだるは結構珍しい。

八重山蒲鉾は魚の風味が強くて香ばしい。

クロカワカジキの昆布巻きはカジキの食感と昆布の柔らかな食感の組み合わせが良い。

味わい的にも旨味がありつつサッパリだ。

 

夜の表情 その2

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菜飯(さいふぁん)

さっぱりした出汁をそそいで頂くご飯。

具材は人参、卵、椎茸、キクラゲ、鶏肉、油揚げ。

出汁にはお野菜の旨味、甘みが利いており、これが大変美味。

具材の椎茸の旨味も相まって印象深い。

自家製のピパーチは香りが素晴らしい。

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パッションフルーツとパイナップル

 

「沖縄料理って濃くて大味だよね」と思っている方に是非とも行ってもらいたい名店!

「沖縄料理」のイメージを覆してくれます。

 

店名:潭亭(たんてい)

食べるべき逸品:卓越したセンスで表現される八重山料理と絶妙な合わせ出汁

予算の目安:コースお昼3,000円、5,000円、夜5,000円、8,000円、10,000円

最寄駅:儀保駅から320m

TEL:098-884-6193

住所:沖縄県那覇市首里赤平町2-40-1 1F

営業時間:11:00~15:00、18:00~24:00

定休日:月曜