すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ日本料理編 No. 134 かまくら和久@鎌倉(神奈川県)

こちらは鎌倉駅から10分ほど歩いた場所にある日本料理のお店です。

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この一角は住宅街であるため非常に静かで、店内もまた寛げます。

お店は一軒家を改修しており、上質でありながら肩の力を抜ける空間です。

エントランスは重厚ですが、店内は柔らかな内装で、窓の外には庭が広がっております。

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現在の花板である藤巻壮雄さんは表参道の御料理宮坂(京都の未在の系譜)ご出身。

まだお若いものの調理技術は高く、素材の組み合わせも巧みです。

最近の東京和食の潮流とは逆に高級食材に頼らない点も好印象で、旬の食材をあくまでも仕事によって美味しくしようと言う試みが見られる点が嬉しいです。

 

全体を通して感じた特徴としては、

1. 出汁は比較的強めで東京らしさを感じさせる調味

2. 旬を強く意識した素材選び

3. 調味料のクオリティが高い

の3点。

料理写真を一見すると非常にオーソドックスな印象を受けるかもしれませんが、味わいとしては個性が確立されており、一連の流れで頂くと印象が強まります。

アラがあっても確かな技術と構成力で纏めておられる印象です。

街のイメージとは裏腹に美味しい日本料理のお店が少ない鎌倉。

今後目が離せない優良店だと思います。

あとは、こちらでしか頂けないスペシャリテを完成させれば、かなりの人気が出るのではないかと感じます。

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頂いた日本酒

羽根屋・純米大吟醸50翼、大七・純米生酛、隆・純米吟醸五百万石、

飛露喜・特別純米、山形正宗・貴醸酒2016、山形正宗・生酛純米1898。

 

この度は8,000円のコースを頂きました。

なお、お昼のリーズナブルなコース(2,800円、5,000円)よりも夜と同じコースを頼んだ方が料理人さんの力が発揮され、結果的に満足度が高まるように感じました。

 

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先付

焼き蛤、若竹蒸し。

蛤は焼かれている時から香しい香りが漂い、それを耐えるかのようにマスターズドリームで喉を潤した。

蛤の産地は九十九里。

日本酒と塩だけを用い、炭火で焼いている。

炭は敢え無くオガ炭であったが、貝を焼くならば大差は生じない。

ただ、素材に直接炭火が当たる食材には備長炭を用いた方が良いだろう。

筍の産地は京都塚原。

若芽の粉と塩を混ぜた調味料を掛けている。

やや苦味が走り気になったが、芳醇な香りがあり美味しい。

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お造り

勝浦産の金目鯛と駿河湾産の真鯛。

ともに旬を迎える魚。

鯛は香りが強く、旨味を上品に引き出しており、食感はぷりぷり。

伺ったところ前日の夕方から寝かせたものとの事。

金目鯛は皮下脂肪が旨く、これまた身の食感が絶妙。

ともに価格帯を考慮すると満足度の高いお造り。

ちなみに、山葵と調味料のクオリティも高い。

山葵は安曇野産。

すりつぶした青葱と醤油に土佐酢を合わせた調味料は旨味が強く、ネギの香りが強く出ており、酸味は穏やか。

脂が乗った金目鯛との相性が良好であった。

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椀種は浅蜊の真薯。

真薯は完成度が非常に高く、超ふわふわでエアリー。

真薯の甘みにアサリの優しい苦味が滲む。

吸い地は鰹が強めだが、鮪のまろみが支えている印象。

力強いのに、それが嫌味にならない吸い地である。

椀妻は山菜が入っており、たっぷり。

これについては口当たりを悪くするので、少量にした方が良いとお伝えした。

個人的には、真薯と吸い地の印象を強く提示するため、椀妻はこごみだけでも差し支えないと感じた。

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八寸

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ホタルイカの天婦羅、蓬麩の天婦羅、白魚とうるい、干し柿白ゴマ、京湯葉と根室産の海胆、佐島産蛸と行者ニンニク、岩もずくと墨烏賊、ツブ貝の旨煮。

岩もずくには出汁を利かせた甘酢を用いており、シャキシャキした食感だけでなく味付けも良い。

蓬麩は甘く爽やかな香りが溜らない。

ツブ貝の旨煮は定番中の定番とも言える品であるため、説明を聞いた瞬間は軽く盛り下がるが、味わいは良く、

弱めの火入れで食感を柔らかく仕上げている点に好印象を抱く。

蛸に行者ニンニクを合わせる発想も魅力。

行者ニンニク自体は味付けが強いので、上手く合っていた。

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焼きもの

小柴産の太刀魚。

厚みは薄いのに、脂のパンチが凄い太刀魚。

脂が乗っているので、山葵と山葵漬けと相性が良い。

魚自体の味わいだけでなく、漬け込みの塩梅や、ホロホロとほどけとろけるような食感に仕上げる調理も秀逸。

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強肴

鹿児島産黒毛和牛サーロインと芹。

肉の使い方は嫌味が無い。

しっかりした出汁で合わせている。

牛肉の脂の旨味に加えて酸味が出汁と連結し、媚びるようなところが無いので安心した。

個人的に日本の「旬」を感じさせない牛肉を日本料理で用いるのは苦手なので。

なお、器は美濃焼。

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お食事

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桜鱒と菜の花の混ぜご飯。

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個性が光るご飯。

高温で炒め素揚げ状にした菜の花が香ばしい!!

鮭のハラスではなく桜鱒なところも、個人的には嬉しい。

(鮭のハラスは誰がどうやっても美味しいのでw)

松の実も使用。

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水菓子

塩漬けの桜を混ぜたクリーム、抹茶アイス、苺のパルフェ最中。

全て一緒に頂くと味わいが合う。

 

またお伺いしたいと思います。

今度はグレードを上げて、13,000円のコースを頼んでみたいところです。

 

店名:かまくら和久(わく)

予算の目安:コース8,000円、13,000円

最寄駅:鎌倉駅から650m、和田塚駅から550m

TEL:0467-38-8200

住所:神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-3-28

営業時間:11:00~14:00、17:00~21:00

定休日:水曜