すしログ No. 231 うを徳@東向島

結構久しぶりの訪問となりました。

前回の訪問(2016年12月)以来、引き続き全国で多くの日本料理店を巡りましたが、矢張りこちらは唯一無二の魅力があると再認識しました。

使用する食材のクオリティは圧巻であり、極めて高いCPを誇っております。

ただ、食材のクオリティが高いと言っても「皆が求める高級食材」ではない点が魅力的です。

独自の仕入れの眼力で上質な素材を見抜き、お客にコストを転嫁されない姿勢には頭が下がります。

そして、シャリに改良を重ね続けておられる点も、足を運ぶ魅力の一つ。

かつて最初に伺った時よりも格段に美味しく改良されており、親方・小宮さんのセンスと努力を感じました。

うを徳さんのお料理の詳細

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蒸し鮑

大原のマダカに、群馬のトロ茄子。

蒸し時間は2時間半。

肝が旨い。

茄子もひたすら甘い。

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稚鮎の天麩羅

琵琶湖産。花山椒を嫌み無く活かしている。

肝はホロ苦いだけでなく、甘い。

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城下鰈

城下鰈とは、大分県速見郡日出町で漁獲される真子鰈の事。

旬の時期に現地に行ってみたいのだが、未だ叶わず。

この度の魚体は1.7kg。

捌き立てだが、甘みがぐわっと広がる!

力強い食感に強い甘み。

素材の力と包丁だけで勝負する、熟成と真逆の仕事。

縁側は脂の乗りが圧巻で、プチプチ弾けるような食感も気持ち良い。

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肝もまた捌き立てならではで、ぷるんとした食感に旨味が乗り、肝特有のにおいやクセは皆無。

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函館小川の海胆、わらび

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玉子

海老の風味がしっかりで、甘みを利かせ、食感はみっちり且つしっとり。

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鰻の煮凝り、鮟肝

鰻は琵琶湖産で、山椒を利かせている。

鮟肝は余市産。

安定の美味しさがあり、口どけも良い。

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アマテガレイと鯛の白子の潮汁

アマテガレイも真子鰈を指し、産地は淡路。

魚の旨味をストレートに感じさせる潮汁で、塩気も程良い。

じゅんさいは白神産の瑞々しいもので嬉しい。

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鰻の焼きもの

天草産の海鰻(天然モノ)。

皮はパリッと焼き上げ、身はとろとろ、ふんわり。

走りで700gと言う事もあり、味は比較的サッパリしているが、

時期を考慮すると脂も楽しめた。

この後、握りに移行します。

シャリ

前よりも赤酢を抑え、塩気を強めており、やや硬めの仕上げ。

パラりとほどけ、進化を感じさせる。

ガリ

甘みのあるクラシカルタイプだが、決して嫌な甘みではない。

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アオリイカ

葉山産。とろりとした食感で、シャリとの一体感が非常に高い。

理由としては、波を打たせつつ薄切りにして重ねているため。

この仕事は九州の某店で頂いた記憶がある。

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春子

出水産。塩を利かせて〆ており、皮はみっちりで、身は超しっとり。

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鮪中トロ

紀伊勝浦産。しっかりした旨味に酸味もあり、美味。

ちょっと早めの夏鮪らしく、酸味が余韻として引き締めてくれる。

何と撮影失念(笑) 東京で鰊の握りとは!と興奮してしまった。

表面をしっかりと〆つつ、身はトロトロ。

脂が乗っており旨く、鰊特有のクセは感じさせない。

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出水産。旨味を凝縮させており美味い。

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城下鰈

お造りとは異なる楽しみがある。

やっぱり旨く、甘みが強くでぷりぷり。

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トリ貝

七尾産、1個1,500円もするトリ貝。

味わいは圧倒的。

シャクッシャクと弾ける身は甘みが強く官能的。

そして、その後に強い香りが高まる。

香りが非常に個性的で、唐墨的なニュアンス。

処理は弱火の湯に1分さらす程度との事。

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鮪大トロ

強い旨味に酸味もあって良い。

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小鰭

旨味が先行し、香りが高まる〆加減。

身はしっとり。

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鮪赤身

旨味が強い赤身。

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水菓子

カリフォルニア産アメリカンチェリー、佐藤錦、徳島の珊瑚樹(フルーツトマト)。

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アメリカンチェリーも魅力的だが、佐藤錦は滑らかな食感に妙があり、甘みも強い。

珊瑚樹も甘く、香りが強い。

おすもじ処 うを徳さんのお店の情報

店名:おすもじ処 うを徳(おすもじどころ うをとく)

シャリの特徴:改良を重ねておられ、赤酢をバランス良く用い、やや硬めのシャリ。

予算の目安:15,000円~20,000円

最寄駅:東向島駅から170m

TEL:03-3613-1793

住所:東京都墨田区東向島4-24-26

営業時間:17:30~22:00

定休日:月曜

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