すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ日本料理編 No. 17 車力門ちゃわんぶ@四谷三丁目【2019年5月に豚かつ専門店にリニューアル】

※本記事についてはリニューアル前の業態の情報です

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こちらは、かの「京味」で修行された武澤剛志氏のお店で、今や荒木町を代表する日本料理のお店となっております。

お店は荒木町の車力門通りにあり、外観はざっくばらんで入りやすい雰囲気です。

何度も前を通りながら、いつか訪問したいなあと思っておりました。

 

コースを頂いた感想としては、お造り、出汁がとりわけ印象的でした。

お造りは単純に生だけではなく、個性を感じさせる仕事が施されている。

椀のみならず炊き合わせや百合根饅頭に見られる出汁はしっくりと心に馴染む味わい。

反面、全体的に味付けが力強く、同門のくろぎさんよりも更にパンチのある日本料理でした。

 

個人的には、もう少し塩分が控え目な日本料理の方が好みですし、日本料理で肉(しかもフライ)など出さずとも良いと考えますが、「有無を言わさぬ美味しさ」こそが武澤氏の料理の魅力だと感じます。

味が濃く分かり易いので、誰が食べても「美味しい」と思う日本料理だと思います。

 

ただ、一つ気になったのがお値段。

コストパフォーマンスが非常に高いと聞いておりましたが、日本酒を三合頂き、24,000円ほど。

おまかせの金額は14,500円との事ですので、お酒が圧倒的に高額なようです。

しかも、お酒もおまかせで頂いたので、ここまで高額になるとは、驚きです。

僕は「お酒の価格はお店の良心」と考えている為、残念な気持ちが残りました。

昨今伺った日本料理、鮨のお店の中でも、こちらの日本酒の価格はトップクラスです。

 

そして、忙しさのあまり切迫感が伝わってくると言うのもカウンター割烹としては痛い。

カウンター割烹へ行く理由としては、純粋な味以外に、ご主人と料理についておしゃべりする事もあると思います。

しかしながら、この度は会話する暇が皆無でした。

提供時のご説明も息切れされたり詰まりながらでは、むしろ申し訳なさを抱いてしまいます。

お店のざっくばらんな雰囲気もこちらの魅力の一つだと思いますが、ギリギリの切迫感が漂っているのは雰囲気と裏腹に寛ぎにくかった。

お酒をがぶがぶ飲んでいる方や、大人数のグループが入っており、ご多忙なのだと推察しますが、より一人一人と向き合われる事を切に望みます。

 

頂いた御料理は下記の通りです。

 

先付 

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茄子、ニシン、蕗の薹。

全体的に郷愁を感じる味付けで、食欲をそそる。

茄子は甘酢、ニシンは醤油を強く利かせ、蕗の薹は甘辛く炊いている。

蕗の薹のほろっとした食感、炊き加減が特に印象的だった。

 

お造り(鰹、赤ムツ、寒鰤)

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一仕事あるお造りで、これは素晴らしい。

漬ける事によってあっさりした鉄分と香りを強めた鰹(内には生姜と浅葱)、深いコクと香りを楽しませてくれる氷見の寒鰤(今年は漁獲量が少なく貴重)。

何よりも美味しかったのが、佐渡の赤ムツ。

ひと塩して甘みを凝縮しており、噛みしめると身が舌に絡みついて悶える。

 

椀もの

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青森の鮃も塩と酒を振り旨味を閉じ込めている模様。

出汁が極めてバランス良く、上品ながらに食欲をくすぐるやんちゃさも併せ持つ。

お造り、椀と、非常にテンションが上がる流れ。

 

揚げもの

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千葉大原の黒ムツにぶぶあられをまぶして揚げたもの。

餅の香りが心地良く、ザクザク感が楽しい一品だが、塩気が非常に強い。

付け合わせが浅蜊の時雨煮という点も考慮して、魚の方は塩気を控え目にした方が良い。

 

 炊き合わせ

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下関の虎河豚の白子と岩手の若芽。

これも印象的な料理。白子の火入れが良く、青橙を使用したみぞれが秀逸。

酸味に加えて独特のフルーツ感が白子の甘みに寄り添う。

三ツ葉の茎は苦味と香りのアクセントとなる。

 

百合根饅頭と石川小芋

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百合根饅頭に軽やかな甘みを、中の鶏にはより強めの甘みを付け、甘みを掛け算しつつも、昆布を強めに利かせた餡で制御している。

出汁の妙味を楽しませてくれる逸品。

 

牛カツ

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埼玉のA5黒毛和牛を使用したカツ。

牛の甘み、酸味を楽しめるが、冷えており残念。

一気に大人数分を作っている事が原因。

また、ソースもマスタードも廉価な既成品と言うのは、芸が無い。

調味料は良質なものを使い、食材を活かす選択をして欲しいところ。

しかし、何よりも、まさかこれがメインとは思わなかった。

調理の「技」や「個性」を感じさせない料理でコースを締めるとは、最後に失速感を禁じ得ない。

「スペシャリテ」などと持ち上げられているが、出すならば冗談交じりの余興として途中に挟む程度かと。

 

ご飯

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かなり強めに薄口醤油を使用しているが、そら豆の美味しさが箸を進める。

お酒を飲む方が多いので味付けが濃いのでしょう。

お味噌汁の油揚げが食感豊かで大豆の旨味が強く印象深かった。

 

水菓子

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即席のわらび餅。

力強い食感に濃厚な蜜。

美味しいです。

 

お酒はおまかせで頂き、一白水成 特別純米、山間 特別純米 にごり酒、飛露喜 大吟醸。

正直なところ、一白水成特純、山間にごりからの飛露喜大吟醸という流れには首を傾げました。

プレミア的な価値よりも、味の流れが欲しいかな…。

 

お店を出る際、徳山鮓に掲げられている言葉、「妙味必淡」が頭によぎりました。
 

店名:ちゃわんぶ

食べるべき逸品:京味ゆずりの絶品出汁。

予算の目安:20,000円~

最寄駅:四谷三丁目駅から260m

TEL:03-3356-1680

住所:東京都新宿区荒木町3-22

営業時間:18:00~23:00

定休日:日曜、祝日