すしログ日本料理編 No. 111 訪辺歩来(とうへんぼく)@大山(鳥取県)

大山鶏で有名な鳥取県・大山(だいせん)にあるマニアックなお店です。

マニアックたる所以は店名からも何となく察せられる筈(笑)

「唐変木」を文字ったであろう事は明白…

変わり種の蕎麦に加えて、ご主人もまた相当のマニアです(笑)

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そんなご主人は自ら山に入り、山の恵みを用いて独自性の高い料理を作られております。

 

特筆すべき点は、素材のみならず調味料にも手を抜いておられないところ。

鰹節は枕崎の本枯れ節、昆布は利尻産を使用し、山葵はしっかり本山葵です。

 

同時に、全体的に塩気が優しい点も魅力の一つです。

見た目は結構ざっくばらんですが、味わいはこの手のお店としては繊細そのもの。

いわゆる「素材を活かす」事に成功している印象を受けました。

 

こちらは「摘み草」スタイルのお店となるため、予約訪問がマスト。

今回は予算5,000円でキノコを主体とした料理をお願いして訪問しました。

結論から言うと、キノコのクオリティは非常に高く、産地に赴かなければ絶対に頂けない味わいを満喫させて頂きました。

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左から、ブナハリタケ、ムキタケ、ヌメリスギタケ。

各々香りと食感が異なり楽しい。

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ブナハリタケは軽くすえたようなフルーティな香りが印象深い。

ムキタケは旨味に加えて軽い苦味が魅力。

ヌメリスギタケは歯切れが良く、旨味も中々。

 

天然舞茸の天麩羅

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香りが実に素晴らしく、栽培物よりも歯応えが強い。

そして、決定的に特徴づける点が酸味。

旨味は言わずもがな、この酸味こそが天然物の個性だと感じた。

衣はやや厚めだが、油切りが良いので、見た目ほどには野暮ッたく無い。

 

天然舞茸と烏骨鶏卵の茶碗蒸し

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舞茸の香りがぶわっと広がり、キノコの旨味に烏骨鶏の卵の甘みが絡む。

通常のニワトリの卵よりも遥かに高価な烏骨鶏の卵。

こちらでは自家養鶏されており、放し飼いとの事。

黄身は濃厚で、半熟の卵綴じ的な茶碗蒸しに仕上げておられる。

 

天然ナメコの椀

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みっちりとした食感のナメコ。

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ナメコは小粒でみっちりと詰まっているモノが評価される。

旨味に加えて、独特の食感が魅力。

トロッとした食感のみならずシャクシャク感が良い。

昆布出汁と塩気は穏やかで、柚子も少量で上品。

 

キノコ蕎麦

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ナラタケを使用。

ナラタケは滑らかながらに繊細かつ緻密な繊維質。

それを受け止める蕎麦は、力強く、風味がしっかりしている。

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繊細な喉越しを求める蕎麦ではないが、変わり種と共に頂くならば、素材と良き調和を見せる秀逸な二八だと思う(繋ぎは自然薯)。

ツユも良い塩梅。

一体感が極めて高いキノコ蕎麦であり、これはまた頂きたくなる味わい。

 

自然薯蕎麦

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自然薯は矢張り粘りが違う。

そして、香りもしっかりで、粒子がきめ細かい。

 

蕎麦湯

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超濃厚。

蕎麦由来の甘みが強い。

 

鳥取県全域で考えても、訪問する価値のある、大変面白いお店だと思いますよ!

 

店名:訪辺歩来(とうへんぼく)

食べるべき逸品:ご主人が命懸けで採ってくるキノコ(笑)と、絶品キノコ蕎麦

予算の目安:上記のコースで5,000円

最寄駅:なし

TEL:0859-53-8677

住所:鳥取県西伯郡大山町佐摩123-1

営業時間:11:00~19:00

定休日:不定休

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