すしログ No. 194 日本橋蠣殻町すぎた@水天宮前

昨年12月以来の訪問となります。

ただ、前回の訪問後に予約を試みるも、全く電話が繋がりませんでした(笑)

お誘いくださる友人たちに心から感謝!!

 

この度は酒肴少な目、握りを中心に頂き、都合15貫。

小鰭や鯖などの〆の仕事が光るのはいつもながら。

東京では貴重なマスノスケ(道産キングサーモン)や、個性的な仕事を感じさせる子持ち槍烏賊など、この度初めて出会い感銘を覚えるタネもありました。

細かい分析は過去のレビューに譲るとして、ひとえに時期折々で異なる魅力のある名店だと再認識した次第です。

この度頂いたお酒。

羽根屋・特別純米、石鎚・純米吟醸?を0.5合ずつ。

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うるいのお浸し

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アオリイカ、真子鰈

佐島。アオリイカは繊細な包丁により、単にとろけるのではなく、魅力的な歯ごたえも生み出している。

圧倒的な甘みに席巻する。

真子鰈はかなり甘みと香りが強まっており、余韻が秀逸であった。

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蛸の柔らか煮

大変柔らかな柔らか煮(笑)

これも佐島。

皮がとにかく旨く、蛸の香りを活かす仕事。

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イサキの白子

奥に鉄っぽい雄々しい香りが僅かに漂うところがイサキらしい。

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数の子の味噌漬け、鮟肝

新政の貴醸酒・陽乃鳥と共に。

鮟肝はトロトロな仕上げ。

陽乃鳥は酸が走り、力強い味の酒肴との相性が良い。

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アカムツの焼きもの

脂ノリノリで一口一口が力強い。

味付けはバッチリ。

 

この後、握りに移行します。

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小鰭

しっかりと〆ているのにしっとりした食感を楽しませる。

今回の小鰭はいつもよりやや強めの〆加減に感じた。

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真鯛

淡路。4日寝かせており、濃厚な旨味が溢れ出る。

ややとろりとした食感となっているが、香りはしっかりと残っている。

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マスノスケ

塩で〆た後に藁焼きを行い、燻香を付加している。

香りが脂の旨味と相まって食欲をダイレクトに刺激する。

更に、脂と(シャリの)酢が混ざる事により乳化的に旨味の密度が上がる。

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春子

昆布で強めに〆て、控えめに酢橘を使用。

量が適度であり、酸味と香りが良いバランス。

食感はソフトに仕上げている。

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塩竈のメジ(幼魚)。

パツッとした食感が独特で、柔らかな甘みと酸味がある。

冬の鮪ほど脂が強くなく、夏の鮪ほど酸味が走っていない。

季節ならではの味わいで、シャリとの相性は良い。

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インパクト絶大な島根県浜田のどんちっちアジ。

山葵に加えて青葱を噛ませている。

一瞬でもの凄い旨味が到達し、繊維質は消え去るかのよう。

ぶ厚い切り付けなのに素晴らしい食感。

軽く〆ているのかな。

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子持ち槍烏賊

火入れに妙があり、子はトロトロ感が強く、身はパツパツ。

槍烏賊はクラシカルな江戸前のタネだが、仕事は実にモダン。

煮詰めのコクもしっかりとタネを支え、非常に印象深い一貫。

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車海老

海老本来の甘みを活かしており、茹で上げの車海老としては屈指の仕事。

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旨味を凝縮し尽くしており、余韻も力強い。

鯖の香りも強いが、〆の仕事によって上品に感じさせる。

切り付けを拝見していたが、サクの(腹の)ど真ん中を切って頂け、望外の喜び!

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北寄貝

かなり生に近い食感を楽しませてくれる火入れ。

トロッとほどけ、貝の旨味と甘みが口腔を満たす。

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漬け加減は強く、鰹特有の酸が走り、強い旨味が残る。

噛ませる葱の量も適度。

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金目鯛

脂の強さ、身のプリプリ感、香ばしさの三位一体は矢張り素晴らしい。

「金目鯛の炙り」と言う仕事では、他社の追随を許さない。

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キタムラサキ海胆

温度が素晴らしい実に素晴らしく、シャリへの合わせ方が見事!

海胆は冷えた状態で握られるお店が殆どだが(→溶けやすいため)、温度を室温に馴染ませてから握られており、工夫を感じさせる。

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赤海胆

唐津の走りのもの。

キタムラサキ海胆よりも甘みが強く、時期を考えると嬉しい食べ比べ。

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穴子

自然な甘みと上品な香りを併せ持つ。

産地を聞いたところ、金沢八景。

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玉子

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またお伺い出来るよう、予約電話を引き続き頑張ります(笑)

 

店名:日本橋蠣殻町すぎた

シャリの特徴:赤酢を穏やかに使い硬め。塩気もやや強めなので、男らしいシャリ。

予算の目安:18,000円~25,000円

最寄駅:水天宮前駅から100m

TEL:03-3669-3855

住所:東京都中央区日本橋蠣殻町1-33-6 ビューハイツ日本橋B1F

営業時間:火~金17:30~、20:30~、土・祝17:00~、20:00~、日11:30~、13:30~、18:00~

※回転制となっております

定休日:月曜

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