すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ日本料理編 No. 107 心根@枚方(大阪府)

こちらは大阪は枚方にある日本料理のお店です。

※2018年12月に高槻に移転(最新記事リンクは後述)

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ただ、枚方と言ってもひらパーや関西医大のある枚方市駅界隈ではなく、「氷室台」と言う住宅街の一番奥にあり、意外性が高い立地です。

枚方市駅から8~9km離れており、お店の裏手には裏山があり素敵です。

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お店の外観も期待を高めてくれますが、中に入るとおくどさん(かまど)がお出迎え。

暖かみのある内装も相まって、ホッと寛ぐ事が出来ます。

 

御料理を頂いた感想としては、一言で秀逸。

摘草料理のエッセンスを採り入れつつ、明確な個性を確立するのに成功していると感じました。

摘草料理では美山荘、草喰なかひがしと言った名店があり、そちらの出身者であっても個性を打ち出すのは難しいところ。

しかし、ご主人・片山城(きずく)さんは他店からインスピレーションを受けつつ、こちらでしか頂けない味わいに仕上げ、美しく盛り付けておられます。

例えば、八寸。

片山さんは草喰なかひがしの中東さんを尊敬されているそうですが、より独創的な世界観を表現し、個々の料理を力強く表現する事に成功。

美しさと力強さがこちらの料理の特徴であり、頂いていて常に食欲と好奇心を刺激してくれます。

 

2019年2月追記:移転後の記事となります。

2019年9月追記:移転後の再訪記事となります。

 

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頂いた御料理は下記の通りです。

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先付:飯蒸し

銀杏と小豆に子持ち鮎の幽庵焼きを合わせるセンス。

あしらいは萩の葉、酢橘、蓮根チップ、稲穂。

笹の香りがしっかりと香るが、しかしそれを超える鮎の香り!

銀杏の甘みとほの苦さが広がり、実に秋らしい飯蒸し。

そして、着目すべきは稲穂を素揚げしている点。

単に見た目を演出しただけの装飾は、日本料理でも西洋料理でも無粋な華美に映る。

きっちり頂けて、しかも美味しいとは、見事。

稲穂は3日前に収穫したと言う新米で、揚げたてなので香ばしく、甘い。

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八寸

十三夜の月・栗名月をイメージした八寸。

栗の葉の上に盛り付けている。

御料理は、胡桃入り秋刀魚の燻製、茹で立ての地産落花生、栗渋皮煮、炭火焼き柿、花オクラとオクラの味噌漬け、庄内産だだちゃ豆、裏漉し里芋と煎り黒豆、キノコおろし、子鮎の南蛮漬け、秋刀魚寿司、、新蕪に鯖のへしこ。

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八寸でありながら、直前に調理したものも使用している点が、嬉しい。

その心意気に現代的な感覚を覚える。

そして、個々の料理は前述の通り力強い味わいで、秋の滋味を感じさせる。

子鮎の南蛮漬けも炭火で焼いて炊いている点が良い。

そして、酢を上品に使い、鮎の苦味と香りを活かしている。

秋刀魚の燻製も燻蒸香の塩梅が良く、脂の旨味、秋刀魚の香りを楽しませる。

里芋に黒豆の香ばしさを加えたり、蕪の辛味と甘みにへしこの風味と旨味を加えたり、少しの手間とセンスに片山さんの力量を強く実感した次第。

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鰹の塩タタキ

まさかの高知料理が登場!

と思いきや、独自性の高いアレンジを加えている。

付け合せの紫大根は鬼おろしでおろし、あしらいはクレソンと芥子水菜。

更に、ニラ醤油と「シャリ粥」を合わせる。

頂いてみると、ニラ醤油が強い味なのに、鰹の脂が躍動する。

そして激辛大根が味を引き締める!

それでいて辛味が席巻しないのは、シャリ粥のお陰。

強めに酸味を付け、柔らかな甘みを持ったシャリ粥は全体のバランサーとなる。

実に渾然一体な味わいを持った塩タタキである。

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お造り

アオリイカ、真鯛、海胆(浜中)。

これらを、以下の調味料、薬味を混ぜて頂く。

醤油漬けの鶉卵黄、花茗荷、アオサノリ・ネギ・山椒油を和えたもの、ツルムラサキ。

卵黄に海苔やネギの香りが混ざると、家庭的な味わいになるが、個々の素材の旨味が加わり、特に海胆の甘みが調味料的に用いられる。

少々塩分濃度が高かったが、発想は面白く、贅沢な食べ方である。

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キハダマグロの漬け

胡麻をまぶしており、土佐酢のジュレで。

あしらいは大葉、茗荷、アマランサスの新芽、メキシカンガーキンと酢味噌、菊花。

キハダマグロの酸味に土佐酢の強めの酸味が混ざり、実に爽やか。

前のお造りとのコントラストが面白い。

胡麻も良質なものを用いている。

メキシカンガーキンは良い食感。

カリッ!と弾け、気持ち良い。

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海老芋の揚げもの

鶏味噌と伏見唐辛子、銀杏を添えて。

出汁をかなり浸透させ、トロットロに仕上げた海老芋。

衣が非常にサクカリなので海老芋と好対照。

色々なお店で海老芋を頂いてきたが、これは大変美味しい。

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柿、茄子、イチジクに〆鯖

かなりトリッキーな組み合わせだが、予想を裏切る味わい!

濃厚な胡麻酢のソースを用いる事で、主張の強い素材を纏めている。

甘み酸味を巧くバランシングした、創作的でありながら完成度の高い一品。

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河内鴨の焼きもの

月とウサギの皿が可愛らしい。

白い粉は一見すると沖縄のぬちまーすっぽいが、山椒油を乾燥させたものとの事。

鴨の風味、酸味が利いたソース、香ばしい牛蒡を一緒に頂くと、味わいの調和が訪れる。

サッパリと頂ける鴨の焼きものである。

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スッポンの椀

冬瓜、お餅、九条ネギ。

生姜をかなりしっかり利かせており、辛味もある。

日本酒の甘みは控え目。

スッポン出汁なのでトロトロで、ゼラチン質の旨味がじんわり広がる。

お食事前に強い椀とは、構成的に面白い試み。

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お食事

鯛めしに岡山産の松茸を。

お米は京田辺のヒノヒカリ。

頂いて直ぐに新米だと分かる香り。

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そして、鯛の旨味に松茸の香りが混ざり、圧倒的に美味しかった(笑)

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香の物も自家製であり、松前漬け、昆布の佃煮、柴漬け。

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焙じ茶のアイスクリーム。

見た目の色合いとは裏腹に苦味は柔らかく、香りが良い。

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栗の金団

お手製の生菓子!

優しい栗の風味と控えめな甘みで、これも美味しい。

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お薄

サッパリした味わいのお薄。

金団にお薄とは、大変嬉しくなる。

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秋刀魚寿司

おまけ。お土産として購入して、翌朝頂いたところ絶品!

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2017年は秋刀魚が大不漁でしたが、魚体は小さくとも脂が乗ったモノを仕入れ、〆の仕事で美味しく仕上げておられました。

 

コースは10,500円で、お土産の秋刀魚寿司が1,200円。

圧倒的な満足度。

料理の方向性、実験性、完成度の全てが琴線に触れ、自身の好みに合致しました。

是非とも足を運びたいところです。

 

店名:心根(こころね)

食べるべき逸品:独自の感性で季節を表現し、自然の恩恵を感じさせてくれる片山料理。

予算の目安:お昼のコース10,500円 移転後→お昼8,000円もしくは15,000円のコース、夜15,000円〜

最寄駅:なし

TEL:072-691-6500

住所:大阪府枚方市氷室台1-44-32 移転→大阪府高槻市中畑久保条15-1

【お昼】12:00〜15:00、【夜】18:00〜21:00

定休日:火曜