すしログ日本料理編 No. 55 じどりや穏座@大津市(滋賀県)

じどりや穏座

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幾つかのお店を伺い、個人的に気に入っている鶏肉・淡海地鶏。

こちらは生産者のかしわの川中さんが経営する、総本山とも言えるお店です。

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長らくお伺いしたかったのですが、立地とは裏腹に相当の人気を誇るため、中々訪問出来ずにおりました。

しかし、この度気合いで予約をもぎ取った方からお誘い頂き、念願の訪問となりました。

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店内は広く、カウンター席も余裕があるため寛げます。

そして、コースは非常にリーズナブルで、驚嘆に値します。

【淡海地鶏食べ尽くしコース】と言う壮大な名前のコースを頂きましたが、3,800円と言う価格とは思えない程に充実した内容でした。

聞くところによると値上げも行っていないそうで、生産者の矜持を感じました。

じどりや穏座さんの御料理の概観 

料理を俯瞰しての長所としては、

1. 鶏肉は朝〆で鮮度が極めて高く、頂ける部位も生産者直営ならではの豊富さ、
2. 肉の部位だけでなく、料理も多種多様で最後まで惹き付けられる構成、
3. 創作的な料理については抑制が利いており、鶏肉が活きている

の3点。

正しく「食べ尽くし」の名にふさわしい、唯一無二の魅力を持ったお店だと感じました。

自家製の調味料も、調味料好きとしては大変面白かった。

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頂いたお酒たち。

房島屋・純吟超辛口、不老泉・山廃純米大吟醸、浪乃音・純米大吟醸、

諏訪泉・純吟満点星、琵琶湖の沖島の芋焼酎・沖の雫。

 

再訪した際の記事もございます。

 

頂いた御料理は下記の通りです。

じどりや穏座さんの御料理の詳細 

鮴(ゴリ)の飴炊き

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先付は鶏ではなく湖魚で、ちょっとびっくり(笑)

鮴は小さくても力強い味で旨い。

香りが凝縮されており、味わい深い。

 

雌の首皮と首肉のすき焼き風

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一見濃厚そうだが、脂の強いコクを活かしつつ、しつこくなく炊いている。

付け合せに郷土食の赤こんにゃくを使用。

 

チーズ、ミニハンバーガー、サラダ

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ミニハンバーガーはスモークした胸肉をポンデケージョで挟んでおり、小技が光る。

胸肉の食感は生ハム風で、強めの燻香としっとりした食感が魅力。

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サラダには笹身のジャーキーが使用されており、この風味がサラダの中でしっかり活きている。

手前のチーズは北海道産で、林檎のチップでスモーク。

ハチミツ入りの蜂の巣を添え、ハチミツのコクがしっかりしており嬉しい。

 

コリコリ三種

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すなずり(砂肝)、内皮、やげん軟骨の三種。

鯛の酒盗で和えているそうだが、違和感は無し。

異なるコリコリ感の協奏が面白い。

鮮度の高さを遺憾無く体感。

 

小鉢盛り合わせ

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左上から右に野菜のピクルス、雌の笹身に宮崎産へべすと鮪のジュレ、雌の胸肉漬けに白肝と肝醤油、左下から右に雌のもも肉藁焼き、そぼろの出汁巻き、雌のもも肉味噌漬け焼き。

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個々の完成度が高く、オリジナリティを有している。

ちょびちょびと頂くと相乗効果で世界観に引き込まれる。

雌の笹身に添えられているのは花穂紫蘇ではなくチアシード。

出汁巻きのそぼろに雌雄を混ぜて作っていたり、もも肉藁焼きにももはももでも、違う部位のをものを使用するなど、

生産者ならではの密やかな楽しみが仕掛けられている。

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肉の味わいがストレートに伝わるもも肉の藁焼きは、非常に肉肉しい食感で力強く、それでいて冷めても歯切れが良い。

ポン酢を使用しているが柔らかな風味故に肉の旨味を活かす。

 

お造り

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こちらは調味料のクオリティも高いのが嬉しい。

なんと手作りの藻塩まで使用。

7種類は順に雌の胸肉、雌のもも肉、雄の笹身、雄の砂肝、雌の脾臓、雌の白肝、雌のハツ元。

特に感銘を覚えたのは雌のもも肉、雄の砂肝、雌の白肝。

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個人的に、砂肝と肝(レバー)はストレートに素材の質を表わす部位だと考える。

内臓は嘘をつかない。

砂肝は食感と旨味に長けており、白肝は圧巻。

今までで一番旨い白レバーで、上質なバターと鮟肝を融合したように濃厚なコク。

それでいて、フォアグラのような重さは無い。

素晴らしく旨かった。

雌のもも肉は膝から上、ソリレス周辺との事で、非常に甘みが強い。

脂の粒子がとろっと舌に絡まる。

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また、脾臓はインパクトある見た目とは裏腹に、血の臭みは皆無でさっぱりしている。

 

サラダ

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箸休め。きっちり美味しい。

 

雌の手羽先

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かめびし醤油の粉末醤油(フリーズドライ)をまぶし、山わさびに滋賀県まるなか醤油を掛けたものを添えて。

脂が非常に濃厚だが、調味料の使い方が良いため、一気に頂ける。

 

雌のもも肉と手羽元、膝軟骨の揚げもの

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油淋鶏ダレが掛かっており、すっきりした酸味を利かせ、甘くない。

 

鶏モツ炒め

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雌のとさかとキンカン、レバー、すなずり、脾臓、背肝、腺胃の炒めもの。

レア部位だらけなので、分かる人は上記を見て興奮されるのではないでしょうか(笑)

僕は腺胃は初めて頂いた。

すなずり(=砂肝)とは別の、もう一つの胃との事。

奥が深い。

 

ぼんじりの焼きもの

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ぼんじりの焼きものは、軟骨も付いているため、「むしろテール」との事。

脂と食感が堪らない。

 

鎖骨の焼きもの

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雌のもも肉〜ぼんじりに掛けての焼きもの

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横隔膜の焼きもの

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横隔膜の焼きものはトロトロ、プチプチ、むぎゅむぎゅっとした食感で脂が旨い。

 

地鶏出汁の炊き込みご飯

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鶏ラーメン

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〆も徹底的に鶏尽くし!

共に美味しかったです。

デザート

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ヨーグルトのアイス、ドライマンゴー、いちじくのピューレ。

デザートにもこだわりがあり、スッキリと頂く事が出来た。

 

唯一無二の鶏料理店です。

 

店名:じどりや穏座(じどりやおんざ)

食べるべき逸品:淡海地鶏を駆使した駆使したユニークなコース。

予算の目安:3,800円~ →5,000円~

最寄駅:堅田駅から1,300m

TEL:0120-003-129 ※完全予約制です

住所:滋賀県大津市真野4-9-50

営業時間:18:00~22:30 ※カウンター席は18時~18時半の一斉スタートとなります

定休日:火曜、水曜、不定休

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