すしログ 〜The Encyclopedia of Sushi〜

全力で鮨の魅力を伝えるブログ!日本料理、郷土料理、和菓子の名店も紹介します。Since 2015

すしログ No. 217 鮨おとわ@こどもの国(神奈川県)

神奈川で大好きなおとわさん。

ミシュランの星を獲得される前からお伺いしておりますが、

今回は時間が空き、実に2年ぶりの訪問となりました。

かつて伺った際はシャリを大きく変えられており、正直なところ面喰ってしまいました。

しかし、現在は元のシャリの味付けに近づけつつ、他店とは異なる味わいを確立されており、確かなる飛躍を体感。

親方が昔通われていた水谷さん、青空さんの影響を感じさせる、米酢のキリッとしたシャリです。

ただ、酸味は強めであるが、硬すぎず、塩気はそこまで強くありません。

頂いていると、最後の方に米の香りや甘みが立つ。

栃尾のコシヒカリを寝かせ、羽釜で炊かれているそうです。

硬く炊かずとも、ほどけが良いシャリであり、親方の握りの技術の進化を感じさせて頂きました。

 

また、今回感じたこちらの特徴としては「食感」の妙。

全体的に「食感」を活かす仕事が多い印象を受け、「咀嚼する喜び」のある鮨だと感じました。

酒肴では鮑、蛸でそのように感じ、握りでは鮃、墨烏賊のみならず穴子でも感じました。

匂いフェチ、食感フェチな自分としては、この試みは大変琴線に触れます(笑)

香りや食感は流行りの熟成仕事を強めすぎると弱まってしまうものなので、親方・相澤さんの握りは流行りとは趣を大きく異にします。

古典的な江戸前であり硬派。

それでいて、現代的なアレンジも光る握りです。

すぎたさんとはまた違った古典へのアプローチ。

今後ともお伺いするのが楽しみです。

 

なお、今や超大流行している御殿場産の山葵ですが、こちらでは昔から使用されております。

生産者さんから週2回直送される山葵は、香り高く美味しい。

 

今回頂いたお酒。

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旭興・本醸造(敢えてのアル添を選択)

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たまか・純米吟醸

 

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銀杏

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しっかりとした歯応えがあり、柔らかく供する事が多い今日では、非常に珍しい。

噛み締める度に旨味がぐわっと滲み出る。

また、柔らかく炊いた時と最も異なる点は、香り。

煮汁への流出が少ない為、蛸の香りが段違いである。

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ゼラチン質が強、提供温度帯は低いのに、舌に触れた途端に旨味を伝える。

香りも活きている。

冒頭で柔らかいものではなく噛み締める喜びのある料理があると、食欲が刺激されるので、非常に好印象を抱いた。

矢張り「噛む」事は食事で大切なファクターである。

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鱈の白子

北海道で言うところの「タチポン」。

白子はトロッととろけ、甘みが広がり、雑味は無い。

下茹での塩梅が良く、北海道で頂くものに等しき味わい。

自家製のポン酢は酸味が穏やかで白子の甘みを活かす。

もみじおろしもまた、辛味が穏やかで上品。

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勝浦産。燻蒸香が強めだが、切り付けが薄いために軽やかに感じさせる。

鰹は酸味が強く、それを旨味がバッチリ支えており、戻りの美味を満喫。

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漬け炙り。漬けの加減は浅く、炙りも穏やかで、鮪の香りを活かす仕事。

酸味が強く旨味も乗っている為、部位を伺ったところ分かれ身であった。

(産地を伺わなかったが、間違い無く大間か三厩かと思われる)

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肉厚で脂トロトロ。天然だが香りは穏やか。

皮をパリッと焼き上げており、燻蒸香は柔らか。

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ガリ

程良い甘みにシャープな辛味が合致し、食感はシャキシャキ。

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肉厚!噛み締めるコンセプトを強く感じた。

ふくよかな甘みと香りが充満し、白身魚好きとしては大満足。

当日〆、青森で揚がったもの。

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墨烏賊

食感第一で鮨と最も合う烏賊こそが、墨烏賊。

超サクッとキレ、パツパツッと弾ける!

そしてとろりと消え去り、秀逸な墨烏賊であった。

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鮪赤身

漬け。酸味を味わわせ、この後の鮪連打への助走を。

こちらはすきやばし次郎さん一門と同じく、赤身、中トロ、大トロの3連続で提供される。

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鮪中トロ

強い旨味をキレのある酸味が引き締める。

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鮪大トロ

脂のパンチが有るがクドくない。

大トロはモノの質を語るバロメーター。

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小鰭

サクッと皮が弾け、香りが広がる…

旨味は少し弱いものの、小さな魚体を仕事で活かす仕事に見所アリ。

なお、こちらでは〆に何とフランスのゲランドの塩を用いておられる。

f:id:edomae-sushi:20171210181322j:plain ※写真は鯖(親方から頂いた)

シャリには能登の揚げ浜式の塩と使い分け。

高級塩を惜しげもなく、圧巻である。

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赤貝

とにかく旨味が強い!紐ごと握り、印象を強めている。

香りはまだまだだが、旨い。

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車海老

こちらの車海老は昔から超美味しい。

素晴らしい発色と甘み!

非常に肉厚で、海老の強い甘みをシャリの酸味がアシストする。

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蛤出汁。

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海胆軍艦

濃密な旨味で明礬の収斂味はほぼ無し。

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小柱軍艦

山葵を利かせて山葵の辛味と香りの後に、小柱の甘みがぶわっと広がる。

そして、海苔の磯の香りが寄り添う。

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いくら軍艦

卵の旨味が凝縮されており、美味。

軍艦3連発とは、驚いた(笑)

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穴子

敢えて低温度帯で提供すると言う、離れ業。

穴子の皮の食感を嫌味無く感じさせ、他とは異なる味がある。

冒頭に記述した通り食感を活かす面白い仕事。

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玉子

ふわんふわんで、しっとり。

王道の作りだが美味しい玉子。

 

過去に比べてお値段が上がっているものの、それに見合った味わいです!

 

店名:鮨おとわ

シャリの特徴:米酢のみで端正なシャリ。過去に比べて塩気を落とし、幅広くタネとの相性アップ。

予算の目安:おまかせ18,000円(税込み)

最寄駅:こどもの国駅から800m

TEL:045-961-1007

住所:神奈川県横浜市青葉区奈良3-11-1

営業時間:平日18:30~21:00、土日祝日17:00~19:30、21:00〜23:30、水金日祝12:00〜14:00

定休日:月曜、第3日曜