すしログ No. 200 鮨処やまだ@銀座(東京都)

実はここ2ヶ月の間に3回訪問しました(笑)

なので、この度はハイライトでお送りしたいと思います。

 

前回の記事はこちら。

 

下記、タネの後に☆を付けたものを、後ほど詳述致します。

この度は、イトウ、アカメと「幻の魚」を頂く機会に預かりました!

 

【6月訪問時のタネ】

真子鰈、イサキ、カマス、本物の初鰹☆、黒ムツ、金目鯛、鮑、白海老、剣先烏賊、青柳、トリ貝、小鰯、鯖(5日熟成)、鯖(当日〆)、小鰭(江戸前ナカズミサイズ)、小鰭(佐賀)、玉子、穴子、鮪赤身、帆立、オオスケ鮪トロ、ゴマフグの白子、鮟肝

【7月上旬訪問時のタネ】
真子鰈、イサキ、椎茸、鰹、縞鯵、イトウ、剣先烏賊、イシガキガイ、カマス、春子、小鰭、鰯☆、鮪赤身、鮪中トロ、鮪大トロ、穴子、トリ貝、帆立、蛤、赤万願寺、蛸足茶漬け、海胆手巻き、鯖、玉子

 

【7月下旬訪問時のタネ】
真子鰈、アカメ、鰹、金目鯛、新烏賊下足、新烏賊身☆、ケンサキイカ☆、北寄貝、帆立、新子☆、椎茸、トリ貝、小鰭、春子、鯵、鯖(3日)☆、鯖(当日)☆、インドマグロ、イトウ漬け☆、玉子、鮟肝

【6月訪問時のタネ】

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イサキ

4日熟成。脂の旨味を活性化させつつ、香りと食感を残す良い熟成の勘所。

イサキの雄々しさを満喫出来る熟成仕事。

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本物の初鰹

何故本物かは、前回の記事をご参照あれ。

酸味に加えて脂がかなり乗っており、当たり年だからと言うのもあるかもしれないが、東京(江戸)近郊まで遡上した鰹だからこそ、

江戸ッ子が「女房を質に入れてでも食べたい」と言ったんだろうな…と思いを馳せる。

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黒ムツ

神津島産。圧倒的な脂の旨味!

最早「糖度」と言いたくなるくらいの脂の甘さだった(笑)

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金目鯛

インパクトを覚えた黒ムツの後、さらに凄い脂を体感させてくれる金目鯛。

本物の初鰹、クロムツ、当タネと、圧巻の流れ。

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白エビ

香りが先行するのかと思いきや、甘みが凝縮されており、口の中でどんどんと甘みが強まる。

〆ているのだろうと思い伺ったところ、3%の塩で。

山田さんは白エビですら個性的に仕上げる。

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青柳

旨味が強く、フルーティな香りが素晴らしい!

青柳固有の磯っぽい香りが漂う前にフルーティな香りを楽しめる。

下処理が秀逸である。

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小鰯

瀬戸内、特に広島で珍重される小鰯。

タネのチョイスがマニアックで素晴らしい。

頂いてみると、トロですわ、これ。

旨味の伝達速度が極めて速く、トロッととろける口溶けも抜群。

素晴らしい〆の仕事であり、提供温度も適切。

また、この数週間後に伺った際、全く異なる仕事で鰯を供された。

後ほど記載するので、比較されたし。

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オオスケ

別名マスノスケ、和製キングサーモン。15キロ。

ぶちっとしたやや力強い食感の後に、トロッととろける。

独特の食感の所以を伺ったところ、干してから冷凍しているそう。

旨味と食感の引き出し方が興味深い。

 

【7月上旬訪問時のタネ】

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イサキ

関のイサキ。旨味が強い!

前回よりもアグレッシヴに皮目を残して供しており、面白い。

皮のぎゅわっとした食感とともに、食欲をそそる香りが残る。

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イトウ(上記写真は親方より頂戴致しました)

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幻の魚であり、青森県鰺ヶ沢産。

海の生け簀で暫く泳がせ、アニサキスを放出している。

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口に運ぶ過程で香りが鼻孔をくすぐり、いざ頂くと独特の味わいに驚く。

旨味は強いものの、脂の乗ったオオスケ(マスノスケ)や鱒程ではない。

しかし印象に残り、余韻がありつつスッキリと収束する。

f:id:edomae-sushi:20170812114429j:plainカマス

竹岡産。〆てから炙っており、酢の軽い酸味を超えてカマスの甘みが突き抜ける。

そして、炙りによる燻香の後にカマスの香りもしっかり楽しめる点もポイント。

得意の〆に加えて、炙りの調整にも妙有り。

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〆た鰯を炙る仕事。

しかも、炙り加減がしっかり目で「焼き」に近い。

それに伴い、食欲にダイレクトに刺さる香りを立てており、もはや郷愁とも言える程に美味しく香ばしい香り。

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帆立

旬のピークの帆立をワイルドに切り付け、丁寧に握る。

肉厚が故に圧倒的な甘みを楽しませてくれ、肉厚でありながら噛み締めるとトロッとほどけゆく。

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実は初めて頂く煮蛤。

漬け込みの加減は強めながら、肝のトロトロ感を残しており美味しく、軽い苦味が後味を引き締める。

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赤万願寺

今回は周年記念だったため変わったタネが登場。

通常、僕は亜種が登場すると忌避感を覚える鮨フリークだが、完成度が高いので楽しかった(笑)

味噌に海胆に始まり、日本酒、糸賀喜を混ぜ合わせた調味料が味を繋ぐ。

シャクッとした食感の後に香ばしい味噌が調和する。

 

7月下旬訪問時のタネ】

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アカメ(上記写真は親方より頂戴致しました)

これも稀少性の高い魚。

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バッチバチな食感であり、噛み締めると甘みが高まる。

見た目は明らかにハードな魚だが、食感も力強い。

しかし、熟成を掛けることで生では味わえない魅力を引き出している。

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新烏賊の下足

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新烏賊

墨烏賊のこどもが新烏賊。

江戸前の夏を彩るタネの一つ。

個人的には3枚以上をつけた新子(小鰭のこども)よりも遥かに楽しいと思う。

その理由は、食感。

「鮨に最も合う烏賊」である墨烏賊を想起させてくれる食感。

こどもなので柔らかいものの、墨烏賊特有のパツパツ感がある。

走りのタネの魅力とは、旬へのイメージをどれだけ喚起してくれるかだろう。f:id:edomae-sushi:20170812114437j:plain

ケンサキイカ

新烏賊の後に、旬の走りのケンサキイカとは、面白い流れ。

炭塩に軽く煮キリを。

烏賊の強い甘いに二重の塩気が加わり、酒飲み向けの握りになっている。

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新子

小鰭の魅力を味わおうとするならば2枚付けが良く、せいぜい3枚付けだろう。

それ以上のものは「縁起物」なので、敢えて求めて食べる必要は無い。

新子を「夏の旬」だと思っている方が多いが、実際は旬の走りにも至っていない。

(高値で仕入れ、お客を楽しませようとする職人さんには敬意を覚えますが)

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鯖(3日)

強い〆加減で、食感はホロホロに近い部分があり、それを低い温度帯のシャリで提供する。

胡麻鯖だが、仕事で面白さを高めている。

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当日〆たもの。1時間程度の〆と言うが、しっとりした食感。

前の鯖との対比が面白い。

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イトウ漬け

前々回に頂いたイトウに再会。

漬けによって凝縮された旨味は、とろとろした食感、封印された香り。

これはあるべき現代的な江戸前の仕事だと思う。

伝統的には「江戸前」ではないタネと、江戸前仕事との出会い。

ひとえに、現代に江戸前鮨を頂く悦びと希望を感じさせてくれる。

 

おまけ

小鰭コレクション(笑)

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店名:鮨處(すしどころ)やまだ

シャリの特徴:赤酢2種類をブレンドし、砂糖を用いつつ、多くのタネと調和する硬めのシャリ。

予算の目安:10,000円~ →15,000円~

最寄駅:新橋駅から350m、内幸町駅から450m

TEL:03-3572-7534

住所:東京都中央区銀座7-2-14 第26ポールスタービル3F

営業時間:18:00~21:30

定休日:日曜、祝日

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