すしログ:江戸川橋で江戸時代から続く老舗鰻店!独自の技が光る「はし本」

はし本外観

こんにちは、鰻が大好きな、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

以前お伺いして記憶に残った鰻屋さんの「はし本」さん。

東京に鰻屋さんは無数にありますが、こちらの焼き方は非常に個性的です。

前回訪問の2017年10月以来、数多くのお店を回ってから再訪したところ、独自性を強く実感しました。

 

職人技が光る料理ジャンルは、時を置いて訪問すると、感動が強くなることが多々あります。

職人さんが技を磨かれているのと同時に、自身の食の経験値が上がることで認識できる美点が増えるためだと考えます。

よって、僕は修練される職人さんを応援すべく自身を客観視しながら励みたいと痛感するところです。

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江戸川橋「はし本」さんの魅力

江戸川橋にある「はし本」さんは、1835年(天保6年)に創業された老舗です。

今に至るまで移転されず、同じ場所(石切橋)で営んでおられます。

はし本建物外観

建物は東京大空襲の折にも焼かれなかったそうで、趣深い。

外観もさることながら店内の雰囲気も渋く素敵で、流れる時間が外とは異なります。

現在の親方は6代目で、仕事を継承する傍ら、鰻問屋に通い鰻の目利きも学んだ手練と聞きます。

こちらでは鰻のクオリティに応じて蒸し時間を変えておられるため、目利きまで学ばれたご主人ならば、より理想的な蒸しの仕事を実現出来るのだと推察します。

最初に伺った時も「唯一無二の味わい」だと感じましたが、再訪すると魅力を更に実感します。

鰻が、割き、串打ち、焼き、タレ、ご飯の協奏による総合芸術である事を教えてくれる一軒です。

はし本建物外観02

「はし本」さんの御料理の詳細

それでは、実際に頂いた御料理をご紹介します。

メニュー01

「はし本」さんでは、予約してお願いしない限り、オーダー後に割いて串打ち、焼きを行います。

なので、30分ほどかかるのですが、この時間も魅力の一つです。

是非とも、予約するとしてもお店でオーダーして、酒肴を頂きながらお店の時も味わってください。

ただ、【特上】は取り置きをお願いするのがベターです。

2022年8月に訪問した際の記事

2022年8月にお伺いして頂いたものは、下記のとおりです。

  • 鰻重(特上)4,700円
  • お吸い物150円
  • 焼き鳥2本710円
  • ひれ焼き250円
  • 肝焼き560円

 

この度頂いたお酒

お酒01

  • 満寿泉(純米)850円
  • 白鷹800円

メニュー02

 

葉唐辛子

葉唐辛子

お酒を頼んだらサービスで頂ける嬉しいひとしな。

噛みしめた時に広がる、醤油の塩味をアテに酒を進める…至福である。

少々下品な表現となるが、噛みしめた後に、唾液で味を延ばすと美味しさが更にアップする。

ピリ辛で塩気がある佃煮なので、じっくり飲める良きアテだ。

 

焼き鳥

焼き鳥

スモーキーフレーバーをたっぷりと漂わせる。

ジューシィで美味しい焼き加減だ。

 

白鷹

白鷹

恐らく生酛造りの本醸造だと思われる。

これが素晴らしい。

カプロン酸エチルの香りが強い純米酒よりも、生酛造りのアル添の燗酒の方が圧倒的に鰻に合うことを実感した。

 

ひれ焼き

ひれ焼き

炭火焼きの威力を感じる香ばしさだ。

皮下脂肪のトロみと食感を心から楽しむ。

 

肝焼き

肝焼き

焼き込むことでコリコリ感とホロ苦さを巧みに調和させている。

 

さて、酒肴と酒でちんたらと時間を弄んでいたら、鰻重が登場した。

鰻重(特上)01

鰻重(特上)

鰻重(特上)02

実に美しいフォルム。

ムダなものを一切使っていない。

鰻重(特上)03

鰻は江戸前仕事の蒸しで柔らかくなっているが、焼きで見事に凝縮させている…このバランスは素晴らしい。

鰻重(特上)04

柔らかさと味わい深さを両立させ、脂と繊維をともに楽しませる焼きの技である。

タレは醤油を利かせていて、甘味が塩梅良し!

鰻重(特上)05

この焼きの技を見よ。

 

良い鰻店の指標となる、香の物も美味だ。

香の物

 

また、【お吸い物】も美味。

鰹節の旨味とスモーキーフレーバーを上品に感じさせてくれ、控えめに言っても素晴らしい。

必ずしも【肝吸い】でなくて良いと感じさせてくれる。

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2017年10月に訪問した際の記事

2017年10月に訪問した際に頂いたものは、【鰻重(特上)】4,000円と【肝吸い】300円です。

特上は数量限定となり、(上)3,300円、(並)2,600円もあります。

 

オーダー後、油断しておりましたが、結構な時間待ちます(笑)

しかし、僕個人的には素晴らしい待ち時間!と嬉しくなりました。

東海より西の鰻店は待つことが少なく、東京においては待ち時間が長いお店ほど信頼を抱けると言うもの。

本来であれば、串やうざくなどを頼んで一杯飲みつつ待つのが粋ですが、久々の東京なので忘れておりました(笑)

日本酒には時間が足らず、ビールがスーパードライなので追加しませんでしたが、訪問される方は是非とも一献楽しまれてください。

 

鰻重(特上)

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まずは、一口。

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一口で、こちらの鰻が独特である事を感じた。

身はふんわりで皮下脂肪はトロトロ、肉厚ながらにホロホロ過ぎまで追い込まない蒸し加減。

焼きにより外はパリッと仕上がっている。

江戸前の仕事の鰻として、柔らかすぎず強い印象を与える。

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そして、ご飯。

米粒が立ちつつ、モッチリ感もあるお米と炊き加減で美味。

 

創業時から継ぎ足しのタレは一言で、上品。

甘みが非常に低く、それでいて醤油のトゲも無い。

甘みと辛味(醤油)のバランスが良い上に、ご飯に掛けられた量も上品。

タレの味わいに加えて焦げの風味と苦味が控えめにアシストする。

 

かなり脂が乗った鰻だったが、それでいて香りも楽しめた次第だ。

 

肝吸い

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上品な出汁。

肝の中心はとろりとしており、管はぷりぷり。

鰻の肝の旨味と香りを満喫出来る。

卓上の山椒は香り中々で、痺れしっかりなもの。

 

香の物も美味。

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総合的に老舗ながらにコストパフォーマンスが高く、またお伺いして印象を再確認したいと感じました。

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「はし本」さんのお店情報と予約方法

「はし本」さんはお電話にて予約可能です。

 

はし本(食べログのリンク)

店名:はし本(はしもと)

予算の目安:鰻重(特上)4,700円など

TEL:03-3811-4850

住所:東京都文京区水道2-5-7

最寄駅:江戸川橋駅から190m

営業時間:11:30~14:00 、16:30~20:00

定休日:木曜

 

未来永劫職人技が残ることを願う、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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※本記事は日本料理編 No. 101に最新情報を追記したものです

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