すしログ和菓子編 No. 55 つちや@大垣(岐阜県)

こちらは岐阜県・大垣にあり、宝暦5年(1755年)創業と言う圧巻の歴史を持つ和菓子屋さんです。

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こちらが凄い点は歴史と伝統を誇るにも関わらずモダンで創作的な和菓子も作られている点です。

寒天製のお菓子である【みずのいろ】は誰の目をも惹く、美しい意匠です。

f:id:edomae-sushi:20180215195407j:plainしかも、単に美しいだけでなく、干錦玉(ほしきんぎょく)と呼ばれる伝統的な和菓子をアレンジし、ハーブで色付けを行うと言う離れ業を行っている点が魅力的です。

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ただ、こちらは完全予約制で、完成までに10日ほど掛かる上、地方発送不可であるため、入手の難易度は少々高めです。

僕も今回はタイミングが合わなかったので、いつか綿密に狙いたいと思います。

1年半後に夢が叶いました。

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そのように、チャレンジ精神を持った老舗ですが、代表的なお菓子である【柿羊羹】も独創的な逸品です。

当地で有名な干し柿・堂上蜂屋柿を用いた柿風味の羊羹は、天保9年(1838年)に4代目・右助によって考案されたそうです。

干す事で強まる干し柿の甘みを活かし、羊羹に用いる事で、他には無い味わいを楽しませてくれます。

つちやさんの【柿羊羹】

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さらに、明治29年(1896年)に5代目・祐斎によって竹の容器が使用されるようになり、現在の【柿羊羹】が完成しました。

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柿は和菓子に用いるのが難しい素材とされているようですが、こちらでは干し柿製造から手がけ、今も手作りで作り続けておられます。

11月頃に柿を収穫した後、皮を手で剥き、天日干し。

そして、干柿の種を抜き、擂り潰してジャム状にし、砂糖と寒天を煮詰めたものを混ぜ合わせ、竹の器容器に流し込んで作られます。

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頂いてみると干し柿の甘みが活きており、風味もきっちり感じられます。

軽い酸味やほのかなとろみを感じ、目を閉じると柿が頭に浮かんできます。

ここまで柿を感じさせる御菓子は干し柿以外にはありえません。

日本の代表的な果実である柿を再構築した、世界に誇るべきお菓子だと思います。

店名:つちや

予算の目安:1本竹容器入り(155g)972円~

最寄駅:大垣駅から1,100m

TEL:0584-78-2111

住所:岐阜県大垣市俵町39

営業時間:8:30~19:30

定休日:元旦

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